院試よりも国1向き
★★★☆☆
紙面構成,扱われている問題,ともに古臭さが感じられる年季の入った問題集です.
いくらかある有機化学の総合問題集としては一番難易度が高いと思われます.
構成としては,酸と塩基や反応機構などの基礎編,官能基別の化合物編,総合問題の応用編の3部構成となってます.
各章が簡単な解説,例題,演習問題という構成です.
解説の深さや例題の難度は各章によってまちまち.
演習問題は歯ごたえのある問題が多いです.
問題の解説は必要最小限といったところで,有機化学を得意な人向きな一冊でしょう.
近年の院試の難易度からすると,少し難しすぎるように思われます.
例題を潰すだけでも十分に院試レベルに近い力が付くことでしょう.
しかし,「有機化学演習―基本から大学院入試まで」という
より適切な難易度としっかりした解説のついた問題集が出た今となっては,
定期試験・院試に用いるには重すぎると思われます.
ですが,公務員試験で頻出の酸と塩基の章が設けられていることと,
先述の一冊よりも高い難易度から国1受験者には良い一冊となるでしょう.
総合すると,ある程度有機化学の得意な人が国1の記述も視野に入れた時に最適な一冊と言えるでしょう.
汎用性の低さから☆3にしましたが,適当な人が正しく用いれば☆4にも☆5にも値する一冊になると考えられます.
悪くはないがあえて使う必要は?
★★★☆☆
悪くはない本です。寧ろ、反応を官能基毎にまとめてあり、必要十分以上の問題数を収録しているため、良い本と言えると思います。
しかし、解説が淡泊です。すると、有機に強い人には役不足、弱い人には手強すぎるという痛し痒しの問題集になっていると思います。
最近の有機の教科書は演習問題も解説も充実していますので、それをこなしてしまえば、あえてこの本を使う必要性はないと思います。
日頃使っている教科書から一歩離れて問題を整理したい場合には有用だと思います。
院試対策に
★★★★☆
タイトルの通り院試の問題を中心に構成されているので、ある程度基礎を身に付けた人でないときついと思われます。問題は量・質とも申し分ないのでこの本の内容を一通りマスターできれば院試対策は十分でしょう。
ただ解説は少し淡白です。もうちょっと解説が詳しければ申し分ないのですが。
院試の有機化学はこれで
★★★★☆
有機化学の基礎のチェックもできるし、解答も付いているので、自学自習できる。大学院入試のための有機化学の勉強はこれでOK。