おもちゃの幻想的物語
★★★★☆
普通冬にプレゼントを配ってくれるのはサンタクロースです。
しかしイタリアでは1月6日のエピファニー(公現祭)に
魔女のべファーナがほうきに乗ってプレゼントを配ります。
本書のべファーナは大人からお金を受け取って
その子供にプレゼントを送るビジネスをしています。
と言うことはもらえる子供ともらえない子供がいることになります。
フランチェスコも貧しくてもらえない子供の一人でした。
気の毒に思ったべファーナのお店のおもちゃたちは
彼の家に行き喜ばせようと考えます。
片ひげ船長、将軍、銀バネ大将、青矢号そして犬のぬいぐるみのコインなど
個性的なおもちゃたちがぞろぞろと出発していきます。
雪に苦戦したりべファーナに見つかりそうになったりして
一行はフランチェスコの家に着きましたが、そこには誰もいません。
結局コインだけがそこに留まって待つことにし、
他のおもちゃたちは別の子供たちの家に行くことにします。
フランチェスコはどこに行ったのでしょうか。
コインは彼に会えるのでしょうか。
裕福であろうが貧しかろうが、どの子供にもおもちゃと楽しむ権利がある
というロダーリの思いのこもったなんとも幻想的な一冊です。