手段としてのオーディオ
★★★★☆
目的は音楽鑑賞、オーディオは手段と言う視点で貫かれている。
この視点は当たり前だけど、そのようにして書かれた本は少ない。
例えば「モーツァルトがキチンと鳴るアンプとは?」なんて書かれているわけで、いささか強引なこじつけの感もあるものの、「xxを聴くためにはxx」とはっきりと音楽の言葉でオーディオが語られている点が面白い。
自分にオーディオのあるべき姿を考える機会を与えてくれる良書である。
5万円のセットでも十分
★★★★★
スピーカ、アンプ、CDプレーでも十分に音楽が楽しめる。
組み合わせ次第だし、製品次第。
部屋の状況にあわせて選択できるかどうかが命だと思う。
そのあたりを、もっと強調してもらえるとうれしい。
合計10万円以上使う人はマニアだと思うので、「マニアにならない」ということは成立しないと思われる。
粋なオーディオ
★★★★★
数多のオーディオ評論家が,装置の軽薄短小化とそれに伴う業界の衰退を嘆く昨今ではあるが,筆者はむしろ廉価な装置であっても本物かどうかを見極める目(耳)の重要性を説いていると思われる。
金に飽かせてハイエンドオーディオを追求する道もあるが,果たして理想の音は出るのか。筆者は給料2か月分あれば,ハイエンドオーディオの世界とほぼ同等の音を楽しめると言う。 かく言う自分も,以前から,50万円程度で吟味した装置であればハイエンドと比べても遜色ないと確信してきた。
音楽そのものへの愛着こそが重要なのであって,その思いさえあれば自ずといい装置を見極める感性は身に付く。そしてそのようなオーディオとの付き合い方こそ「粋」である。
マニアにならなくてもいい。でも少しでもいい音で音楽を聴きたいという人は一読を。
迷うなあ
★★★★★
ハイエンド、ハイエンド的なスピーカー、ビンテージ古典スピーカー、STAXのイヤースピーカー等の各々の魅力がちりばめられており、どれも欲しくなり、どれかに絞るつもりが逆に迷ってしまう。プロのオーディオ評論家ではなく、偉大なるアマチュアとしての氏の慧眼が光り、一気に読み乾してしまった。