はやい あさです。ぼくは はっぴぃさんに あいにいきます。
でも はっぴぃさんには まだ あったことがありません。
はっぴぃさんは、山の上の大きな石の上に時々来て、困ったことや願いごとを聞いてくれるのだという。そしてまた、もうひとりの少女も、はっぴぃさんに会いに出かけていく。
どこかの国の民族衣装を身につけた少年と少女。瓦礫(がれき)が落ち、戦車が行き交う街を抜けて、2人が山で願うことはとても可愛らしいものだ。のろのろの少年は、のろのろじゃなくなるように。あわてんぼうの少女は、あわてなくなるように。
豊かな色彩と手書きの文字が暖かい印象を残し、欠点は見方を変えれば長所になるということを教えてくれる本書は、子どもだけでなく大人の心もほんわりとさせてくれる絵本である。(小山由絵)