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魔術師のおい―ナルニア国ものがたり〈6〉 (岩波少年文庫)

価格: ¥756
カテゴリ: 単行本
ブランド: 岩波書店
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世界の創造のお話。 ★★★★☆
キリスト教の教えの原点ともいえる内容かと思います。
この本を読めば、どんなにキリスト教の事を知らない方でも
ナルニアの創造される経緯が、キリスト教の示す『アダムとイヴ』の
話にちなんだものだという事が分かると思います。
禁断の果実として登場するリンゴなんて、そのまんまですよね。

物語としては今回も面白いと思います。
1巻で登場する魔女がどうしてナルニアへ来たのか、その理由も
明らかにされます。
いたる所に複線があるので、それがこのお話の後に続く
『ライオンと魔女』の中で効果的に利用されています。

キャラクターも今回も個性的です。
とっても嫌な叔父が出て来ますが、彼には本当に腹が立ちます。
彼がお話の終わりにどうなるかは、是非ご自身の目で確かめて下さい。

ナルニアがどの様にして出来たのか、それを知りたい方には
とても楽しめる内容かと思います。
ただ、今まで以上に宗教色が強いので、そういったものに
抵抗がある方にはオススメしません。
ナルニアの謎が明らかになる ★★★★☆
ナルニア国誕生の経緯、街灯あと野に街灯がある理由、ナルニアにつながるタンスの正体がはっきりする。
ライオンと魔女につながる作品。
アスランはやっぱり神なんだろうな...と、あらためて感じた作品。
ナルニア・ビギニング ★★★★★
ナルニア・ビギニングというべき一巻。
ナルニアの創世記に関わったディゴリーとポリーという二人の少年と少女の冒険の物語です。おじさんの実験道具として、あちらの世界に行かされてしまった二人は、そこで魔女に会い、ナルニアが生まれる時に立ち会います。
この中で、アスランはディゴリーに言って聞かせます。魔女ジェイディスが「ほろびのことば」を使って、チャーンの都を壊滅させたように、人間もやがて「ほろびのことば」に代わるもので全滅してしまうだろうと暗示しています。優しい言葉を使いながら、最終兵器の使用に対する警戒をしています。全巻の中で、こうしたどちらかというと政治的な部分にまで踏み込んだ唯一の作品でしょう。
でも、物語は巻が進むに連れて、エンターテイメントとしての完成度が高くなってきているように思えます。
これがナルニア国の創世記です。 ★★★☆☆
ナルニア国物語の第一巻は「ライオンと魔女」ですがこれを読んでも謎が残ります。その謎を解き明かすために後付けで書かれたのが「魔術師のおい」です。
魔術師のアンドルーは異次元世界に行く事が出来る指輪を作ります。その甥ディゴリーと隣に住む女の子ポリーが異次元世界に旅立つのですがひょんなことからこの出来損ないのアンドルーがくっついていきます。異次元世界はひとつではありません。魔女のジェイディスの住むチャーンはまるで赤色巨星となったような衰えた太陽が鈍く地上を照らしています。魔女は3人について私たちの住むこの世についてきたり、ライオンの姿をした神アスランのいる世界(ここにはナルニア国やアーケン国があります)に行ったりします。
ディゴリーは魔女をナルニアにつれてくるという過ちを犯したのでアスランから遠く離れたリンゴの木からリンゴの実を採ってくるよう言い付かります。これを果たす過程でさまざまな誘惑、試練が待っています。この巻は風景描写が多すぎるのと宗教色が強いのが鼻につきます。
ナルニアの第六巻。 ★★★★★
 この物語は六巻目にして、ナルニアの起源を描いている作品ですが、その内容は明らかに創世記を意識してのものであるように思えます。聖書ではエデンの園にあるリンゴをヘビが騙してアダムとイブに食べさせますが、本書では魔女がリンゴを食べさせようとしたり、アスランがナルニアを創造したりする様子はまるでその通りです。しかし、本書では子どもは結局リンゴを食べません。それはディゴリーとポリーはアダムとイブではないからであり、児童文学の子どもへの教訓として存在しているからだと思います。魔女を復活させるという悪事を働いた事は子どもとしての好奇心であり、罪をつぐなうための冒険も重要な教訓なのではないでしょうか。

 ナルニアと現実世界の間の世界の存在・・・やはりナルニアは現実の世界と表裏一体のような気がします。魔女は前の世界を滅ぼしていますが、現在人間もそのような行為をする可能性があるように思えます。本書には世界のはじまりと終わりの両方の可能性が書かれているのではないでしょうか。それはアスランが本の終わりでも言っている事でもあります。冒険や好奇心といった言葉は、子どもに必要な事ではありますが、やはり危険が伴うことでもあります。作者はその事を伝えたかったのではないでしょうか。

 やっとすべての話がつながった気がします。魔女、タンス、街灯など前作で登場したものの起源がここで著されています。あと一作でナルニアも終わりです。できればずっと呼んでいたいような作品ばかりですが、七巻で終わらせる事に作者は意味を持たせているのかもしれません。楽しみなような、惜しいような複雑な気分ですが心して読みたいと思います。