素晴らしい完結編
★★★★★
《ナルニア》が歴史に残る、伝説的名作になった最大の理由は、この見事な完結編にあると思う。作品のテーマは、ずばりと言えば《死》。童話には似つかわしくない、この重いテーマを、ルイスは、実に美しくポジティブに描きだしています。最近、この本を読み直したのですが、若い頃より深い感動を覚えました。《ナルニア》シリーズのラストを飾るにふさわしい、素晴らしい傑作です。
期待外れ。
★★☆☆☆
この本は話が後半になればなる程、ファンタジーから遠のいて行きます。
今までがなかなか面白い内容だっただけに、最終巻である今作が
期待外れでとても残念でした。
あんな終わり方では、正直納得が出来ないというか。
現実世界で生きるバカバカしさを教えたかったんでしょうか。
空想の世界に生きる方が、よほど有意義で素敵だ、と説いています。
そして今回は今までで最も『キリスト色』が出ています。
正直な所、信者ではない人からしたら、『キリスト教』という宗教に対して
物凄い偏見を持たせかねない結末でした。
なんでもかんでもキリストの教えなら許される、という訳ではないと思います。
そんなのってあり?
★★★☆☆
やっぱり最終巻ともなると、最初の勢いが徐々に失われていく感じは否めない。しかし、冒険活劇としてば、非常に楽しめる、すぐれた作品だと思う・・・と書き切りたいところだったが、最後、私はこんなのってアリ?と思った。ショックで、この結末だと現実世界で生きていくことが否定されているような気がしてしまった。もちろん、ナルニアは現実世界よりも数倍すばらしいところかもしれない。が、しかし、それでも生きていかなければならないのが人間で、いくら帰りたくなくなくても、最後は主人公たちは帰らなきゃならない、というのが、前作までのいいところだったのに。いろんな意味で、とにかく、読んでみてください。
宗教色が濃い
★★★☆☆
「魔術師のおい」の時にも感じたのだが、この作品では一段と宗教色が濃くなってしまったように思う。
アスランが登場してから終盤にかけては、ファンタジーではなくなったように感じた。
それにしても、この終わり方はどうなんだろう?
読後感がイマイチだった。
見事なラスト
★★★★★
「ナルニア国ものがたり」のラストを飾るに相応しい作品になっています。
C・S・ルイスがこの物語を書くに当たって、この結末を最初から用意していたのかどうか解りませんが、この前の巻の「魔術師のおい」で見せてくれた「世界」の初めと、この「さいごの戦い」で見せてくれた「世界」の終りがあって初めて、このナルニアの「世界」が本当の意味で完成しています。と言うか、幾多のファンタジー作品の中で、これほど見事にその物語の「世界観」を見せてくれた作品はないだろうと思います。それほど見事なラストでした。このシリーズを読み始めたら、是非ともラストまで読んで欲しいと思います。
そんな中で、最初の4人の兄弟姉妹からスーザンを脱落させているところに作者の意図を感じます。現実的な少女で、「華のある時」を希求し、「華のある時」を惜しむキャラクターとして描います。妹の「美」に嫉妬する非常に現実的な少女をファンタジーの世界に登場させ、この「夢の世界」からの脱落者として描いています。
ここまで読んで初めて、このファンタジーの素晴らしさが解ったような気がします。