ちょっと気になったのは、子どもたちの言葉づかい。当時の子どもたちは、基本的に大人に対しては失礼な言葉づかいはしないものですから、あまりに現代的な言葉使いにはちょっと違和感を覚える向きもあるかもしれません。
子どもの頃に読んだ「あの雰囲気」を大切にしたい方、礼節を子どもに伝えたい方には、時代背景にも則して訳されている高橋 健二さん訳がオススメです。
点子ちゃんの発言や行動はとても面白くてかわいいし、章の最後に語られる「立ち止まって考えたこと」も社会で生活する上でどれも大切なことがわかりやすく書いてあります。お子様におすすめです。
私がもっとも気に入っているのは、点子ちゃんがアントン君のために内緒で先生にアントン君の家庭の事情を話した、「友情」のところです。
私が常々思っていることだったので、なんだかとてもうれしくなりました。
いざというときに友達のためにどれだけ力になれるか。そして自分の行動を、助けた友人にも誰にも言わないでいられるか。その人の誠実さが問われているのです。周りに対して尊敬の気持ちがあったら、こういう行動も自然にできるのではないでしょうか。
そのことを教えてくれるたいへん良いお話です。
ぜひ、読んでみてください。