こんなおばけなら、ぜひ会ってみたい!
★★★★☆
中川さんと山脇さんの、『ぐりとぐら』の黄金姉妹の童話。森のモミの木に住んでいるのは、森おばけ一家のふらりさん、すらりおくさん、ひらりぼうや、ゆらりおばあさん(おばけらしい、かわいい名前!)。
ある春の日、一家は町中にある小学校の、一年生の教室に置かれた戸棚へお引っ越しします。ところが、元気のよいぼうやのひらりは、人間の子どもたちが気になって昼間も出歩くので、おばけがいるといううわさが立ち、一家は暮らしていきにくくなります。そこで、ゆらりおばあさんは担任の先生に手紙を出すことを思いつき…… 。
なんといっても、おばけ一家のイラストがかわいい。そして、森おばけの生態もとても興味深い。おばけたちの食べ物は? それはにおいなのですって。そしておばけはお掃除好きで、白いマントをはおると、胸の星がきらりと光って「空とぶダイヤモンド」のように見えるらしい。
そんな楽しいおばけ一家と子どもたちとの交流が生き生きと描かれていて、こんなおばけがうちの近くにも住んでいないかなあ、と思わされてしまいました。