最初の1冊として
★★★★☆
こんにちでも学名はラテン語で表記され、また数多くのラテン語法格言なども存在しており、その重要性は論をまたない。言うまでもなく、文法知識などが欠如していると羅和辞典すら引けない。その意味で、最初の1冊として読む価値がある。見開き2ページで1つの話題に絞るなどしてとても読みやすくしてあり、また、煩瑣な単語の変化表などは割愛し、ラテン語の全体像が掴めるような構成になっている。この本1冊では不十分であるのは当然のこととして、徐徐にステップアップしていけばいい。但し、ドイツ語の冠詞で躓いているような方には難しいと思われる。
日本語との類似性が面白かった
★★★★☆
大学の第1外国語でドイツ語を勉強し、中性名詞の存在に驚き、
冠詞等の4種類の格変化に悩み、語順の規則に安心感を覚えた30年前が
ちょっと懐かしいです。
その後フランス語やスペイン語を齧りましたが、類似点や相違点が
理解できて個人的には非常に面白かったです。
仏語や西語には中性名詞がないのに、ドイツ語みたいに中性名詞が
あることに先ず驚きました。でも、語形や主語の省略等、仏語や西語
との共通点も多く、親しみを覚えました。ちょっと驚いたのが、(習った
事はないですが)ロシア語みたいに、名詞が語法上の役割によって変化する
らしい事。言語の誕生・発達変化の過程で、色んなことが取捨選択されたり
することが理解できました。
鈴木孝夫先生が、日本語が論理的でないはずがない、と仰ってますが、
ラテン語の語順の融通性は、日本語が保有する論理性(必要があれば
文法的にいくらでも厳密に表現できる日本語の特性)にも通ずるものが
あると改めて感じました。
学校の合唱部に所属する娘はラテン語でミサ曲を歌いますが、附属CDの
グロリアは参考になりそうです。(修道士カドフェルのドラマでグロリアが
流れていたのをふと思い出しました。)
いやほんと、出会えてよかった。
★★★★★
ラテン語に興味をもったのは、ハリーポッターがきっかけの私ですが(動機がちょっと不純?)、文法嫌いのため、(属格・・奪格・・?? ううん?)すぐ行き詰まってしまい長続きしません。
あるとき、他の方のレビューを読んで興味をもち、この本を購入してみました。
本当に難しい文法用語なしで、ラテン語の特色についてみっちり書かれており、濃い中身に興味をもちながら、最後まで読み通すことができました。いろいろ勉強になり、出会えて大感激でした。
世の中では、ラテン語で「アウェ・マリア」という発音のはずの歌が、「アヴェ・マリア」という発音で歌われているのを、前から不思議に思っていたのですが、そんな疑問もこの本で一発解消しました。
読み方や音の長短も、逐一ルビや記号がつけてあり、とても親切です。
入門の入門書として、ややこしくなるところは宣言とともにスパッと切り落としているのにも好感をもちました。
できたらこの本に最初に出会いたかったなあ。
付属のCDも聞きやすいです。(rの発音は、ラテン風の舌の振動するrではなく、普通のrです。)
ラテン語学習の最初の最初に読むのに、超お勧めだと思います。
画期的な独修書
★★★★★
これまで市販されていたラテン語独修書は、およそ
とっつきやすかったとは言えない。
ラテン語に興味があっても、この世界には入りにくかった。
本書は、その意味で画期的にわかりやすく書かれている。
これだけでラテン語の世界をのぞいてひとまず満足しても
よいし、物足りなければもう少し詳しい本で学習を深めればよい。
サクサク読めるラテン語本
★★★★★
コラムを読むような気軽さで読める語学本です。
よくあるアクセントや活用の表をあえてひっこめ、
ひたすら 例文→解説 の形式を取っています。
例文は古代ヨーロッパの歴史や、格言名言など、知識欲をくすぐられる内容で、
解説は読みやすい口語調。
1つの題目に見開き1ページと、非常に短い間隔で区切られているのも好印象。
「今日はここまで」と区切りをつけやすくなっています。
通勤電車の中でのちょっとした時間にも向いているのではないでしょうか。