ルーツとなる語が示されてるのがいい
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完了形が見出し語として載っています。すべての動詞にではないですが、rideo(笑う)の完了 risi のような現在形とちがう語尾の動詞は多くが載っている感じです。
deferbui pf.[deferveo, defervesco]
risi pf. [rideo]
というふうに。bantam より完了形の見出しが多いです。わかりにくい完了形はすべて載ってるんじゃないでしょうか。
それからいいなと思うのは、語のルーツとなる動詞や名詞などが示されていることです。だから関係ある語がみんなわかります。すべての語についてるわけではないですが、たくさんの語についています。
risio 笑い [rideo]
risor 嘲笑者 [rideo]
risus 笑い [rideo]
risiloquium 談笑 [risus + loquor]
というふうに。
また、動詞で属格や与格をとる場合や、不定詞を取る場合などがあるものは、ちゃんと示されています。
この辞書の巻末の変化表は、bantam の変化表ほど便利ではありません。
省略が多い変化表であることと、ハードカバーなため、表紙がかたくて手が器用でないとペーパーバックより引きにくいということがネックとなっています。bantam のはその点ものすごく重宝します。
またもう1つ、変化表ですごく使える本があって、田淵文男・監修、江澤増雄・著の「教会ラテン語 文法のあらまし」という薄い1000円の本ですが、
巻末の変化表はまったく省略がなく、bantam に載ってない possum と fero の変化表もあります。
こういうことは文法書を見ればいい話ですが、文法書も省略的な変化表しか載ってなかったり、巻末または巻頭という引きやすい位置に変化表がなかったりするものですから。
また、bantam では
defi・go -gere -xi -xus
のようにわかりやすく表記されています。
つまり defi 以下の部分が変化して、defigere, defixi, defixus となることが明瞭です。
しかしこの羅和辞典では、
defigo, ere, fixi, fixum
と表記されていて、単語によっては少しわかりにくかったりします。
つまり、defixi じゃなく defifiixi, defixum じゃなくて defifixim になる、みたいに勘違いされるおそれがあります。
大きくないので手に持って引けます。
ソフトカバーだったらもっとよかったけれど。
やはり辞書を引くときは、そのときの体調によって目を近づけて引いたり、立って歩きながら引いたりできるように、ハンディであるべきです。
大辞書も、手で持てる大きさにして、分冊にすべきなのです。
じっと座って大辞書を調べたりなんかすると、調べてる途中で体ぐあいが悪くなってくるでしょう。
分冊にすれば、1冊ごとの単語数も少なくなって、単語を見つけやすくなり、体ぐあい悪くなるのを防げます。
この辞書は収録語数が多いので好きです。これと bantam だけでたいてい読めるようです。ただどちらにも例文がないのがたまに困るのですが。