この本の作者、ターシャ・テューダーの今現在のドールハウスは、
“熟練した職人さん達の手で”作られた物なので、それは見事です。
特に表紙にもなっている、温室のドールハウスは実物そっくりで
圧巻です。
でも私は、この本の本当の見所は、ミニチュア類にあると思っています。
それらは、彼女が一つ一つ集め、そして作っていっただけではなく、
彼女の周りの人たちが、ドールハウスへの愛情を込めて
一つ一つ作ってくれた物たちだからです。
どうぞこの本の写真一つ一つをじっくりと眺めてください!。
その細かに再現された世界にきっと感動されるでしょう。
そして是非、お気に入りの1ページを見つけてください。
もう1つ面白いのは、ストーリーがあるということ。このハウスの住人(人形)の出会いや、
前妻と夫の結婚式がTIME誌に載ったことが離婚につながっていくという実際の出来事とと絡み合っているストーリー。
人形が生きているという前提で読むのが楽しいです。
ハウスの中に住人の作ったものや、人形の夫婦間でプレゼントしたものなども使われています。
また、手紙などからも交友関係や歴史が読み取れます。
やはり精巧なミニチュアはいくら見ていても飽きません。
前半は、ドールハウス各部屋の解説と写真とまつわるエピソードで構成させていて、
後半はコレクションギャラリーになっており、やはりエピソードが添えられています。