一般的に、ホテル業務は専門ごとに細分化されているため、各部門の業務内容全般を把握することが難しいが、本書は、30年以上にわたってホテル業界に深く関わった著者ならではの総合的な視点で、部門間の業務の関連性がわかりやすく解説されている。
第3章「ホテルマンシップ」では、ホテルマンとしてのホスピタリティー・マナーとは何かが解説され、第5章「料飲部門の業務」では、料理の名称やテーブルセッテイング、ホテルサービスについて解説されている。「最高のサービス」と称されるホテル業界のノウハウは、ホテル業界のみならず、一般の料飲店でも役立つであろう。
これからホテル業界に就職、転職をしようとしている人が、ホテル業界の全体像を把握するのにはもちろん、実際にホテルマンとして勤務している人が、実務経験から得られる以外の基礎知識を学ぶ書としても有効。ホテルの新入社員研修用資料にも良いかもしれない。(萬川晶子)