たとえば、「二十世紀フランス詩」という章では、フランス語と英語の比較について書いている。ラシーヌは1500語で書き、シェイクスピアは25000語を使って書いた…などなど。オースターはフランス語からの翻訳者としても知られているが、そんなオースターがフランス語と英語を比較し、言葉についての思索をくりひろげている。
オースターの書く小説は、シンプルな英語で書かれ、語彙数も少ないことでも知られているが、さて、これはやはりフランス語翻訳をしていたからなのか…などなど考えていくと面白い。
オースターの他の塊??説を読んでいるとより楽しめるが、そうでなくても十分に面白い部分はケッコウ多い。ただ小説を読んでいないとまったく意味が無いと思われる部分もあるので★四つにしました。
最初は難解なエッセイが続きますが、これらの若い頃の作品が元となって、今読むことの出来る小説があると思います。これらのエッセイはそれだけでも、評論、文学作品としてのレベルは非常に高いと思います。また、インタビューではオースター自身のコメントが書かれて、筆者の意匠が分かり、小説がまた一層楽しめます。