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空腹の技法

価格: ¥8
カテゴリ: 単行本
ブランド: 新潮社
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「マラルメの息子」の美しさは絶品 ★★★★★
 オースターが小説家デビュー前に書いていた米仏の詩・小説・絵画などに関する評論や翻訳書序文のほか、近作(当時)の作品に対するインタビューを収録。彼が一貫して、「言葉を使って世界を書く」ということを初期からずっと真摯に考え抜いてきた人だというが分かる本だ。(日本では余り知られていない英仏の詩人に関するアンソロジーは、今後の読書の誘い手となってくれそうで、個人的には嬉しかった。)

 たとえ「世界」全体を「書く」ことが不可能でも、欠如がそこにどうしても残るとしても、「それでも書く」ということを語った文章ばかりの中で、マラルメが息子アナトールを失った際に「墓」として詩を奉げようとしたものの、結局は欠如が大きすぎて「書けなかった」、というエピソードを肯定的に優しく扱った文章(「マラルメの息子」)が特に美しかった。

 文庫版の方が収録している文章が多いため中古取引価格が悲惨なことになってるが、逆にこの値段では十分すぎるくらい贅沢な内容です。
フランス語、英語、芸術、言語、文学、翻訳… ★★★★☆
オースターが作家について語り、芸術についてかたり、言葉について語っている。なにについて書かれる場合も、たんなる評論の域を超えて、不思議な魅力を持っている。

たとえば、「二十世紀フランス詩」という章では、フランス語と英語の比較について書いている。ラシーヌは1500語で書き、シェイクスピアは25000語を使って書いた…などなど。オースターはフランス語からの翻訳者としても知られているが、そんなオースターがフランス語と英語を比較し、言葉についての思索をくりひろげている。

オースターの書く小説は、シンプルな英語で書かれ、語彙数も少ないことでも知られているが、さて、これはやはりフランス語翻訳をしていたからなのか…などなど考えていくと面白い。

オースターの他の塊??説を読んでいるとより楽しめるが、そうでなくても十分に面白い部分はケッコウ多い。ただ小説を読んでいないとまったく意味が無いと思われる部分もあるので★四つにしました。

オースターフリーク必見 ★★★★☆
この本の内容はすべてオースターの小説に関わり、これを読めば、オースターの作品の理解もまた一層深まります。

最初は難解なエッセイが続きますが、これらの若い頃の作品が元となって、今読むことの出来る小説があると思います。これらのエッセイはそれだけでも、評論、文学作品としてのレベルは非常に高いと思います。また、インタビューではオースター自身のコメントが書かれて、筆者の意匠が分かり、小説がまた一層楽しめます。