一斎入門
★★★★☆
幕末維新のどの人物から入っても、行き着く人物がいる。
それが、佐藤一斎である。
小生の場合は、
西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫)
からたどり着いた。
本書は、「言志四録」のうち、著名人のエピソードと
結びつきやすいものを抜粋して、「言志四録」そのもの
よりは、それに影響された人物のエピソードが中心に書かれている。
どちらかというと、ビジネス啓蒙書の域を出ない。
したがって、この本は、小生のように
西郷南洲遺訓―附・手抄言志録及遺文 (岩波文庫)
を読んでしまった後では、少し物足りない。
入門書ということならば、良い本です。
言志四録の解説書として
★★★★★
私は新渡戸稲造さんの本の中で佐藤一斎という人物を知り、もう少し
詳しく知りたいと思いこの本を手にしました。難しい内容の本かと思い
ましたが意外と読みやすく、また内容も深くて幅があり、とても感銘を
受けた一冊でした。日々の生活の中でなにかと自信を失いがちだった私
にとって多くの勇気をいただきました。
傑物を輩出した昌平坂学問所の統括者
★★★★★
「佐藤一斎とは今でいえば東京大学総長に匹敵する人である」
『わかくして学べば、すなわち壮にしてなすこと有り。壮にして学べば、す
なわち老いて衰えず。老にして学べば、すなわち死して朽ちず』という、言志
四録の一節を、平成13年5月衆議院の論議の席で小泉首相が取り上げ、
生涯学び続けることの大切さを説いたことから有名になった」
「門弟に佐久間象山がおり、佐久間象山の門下から勝海舟、坂本竜馬、
吉田松陰が出ている。吉田松陰の門下からは高杉晋作、伊藤博文などが
輩出している。西郷隆盛は直接師事していないが、『言志四録』1133条か
ら101条を書き出し、自己の練成の鏡としたという」
特に本書の31ペ-ジから61ページまでの部分は西郷隆盛の獄中時代
のことや、後進の教育に熱心だったことや、断じて許せなかったものについ
て書かれています。読み終えるには大変な本ですが、著者の説明がカバー
してくれています。
読み終えたときに“達成感”と共に“周りの人たちに優しくなっている自分”
が、手に入ると思います。それに押し出されるかのように“いくつかの悪習慣”が、出ていきますよ。
おすすめします!