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ハプスブルク家の女たち (講談社現代新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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ハプスブルク家を女性の面から見た貴重な一冊 ★★★☆☆
 ハプスブルク家 (講談社現代新書)と同じ著者によるハプスブルク家の外伝的な本。ハプスブルク家の公女または同家に嫁いだ女性を何名か取り上げて人生を辿る。マリー・アントワネットぐらい有名な女性は割愛されている。

 幼い頃から政略結婚の道具とされることが当然の立場の女達の悲喜こもごもの人生、身分違いの恋を実らせて嫁ぐ女性など。

 ハプスブルク王朝最後の王カールの皇后ツィタが1989年まで生きていたとは驚きである。
「名家」における女性たち ★★★★☆
6百数十年に及ぶハプスブルク家。
ヨーロッパ全土と言っていいほどの領域を支配した王朝です。
そんな名家の女たちを編年体で描いてゆきます。

これだけの長きに渡り政治の中心に位置した名家にあっては、「女たち」は「名家」存続の大きな駒であり、次期皇帝を産む「機械」でした。
そんな中でも、それぞれの女性が個性を発揮し、その存在感を遺憾なく示しています。例えそれが悪い意味であっても。
特にここに取り上げられている女性たちは、良かれ悪しかれ強烈です。

この本を読んでいると、どうして「ハプスブルク家」がこれほど続いたか解るような気がします。と同時に、その努力振りに驚きます。
歴史は、本人の意思とは関係なく、その進行のための役割を与えてきたのでしょう。

今まで切れ切れの知識しかなかった「ハプスブルク家」について、やっと歴史の流れとして理解できた気がします。
マザコン江村は、マリアがお好き! ★★★★☆
 江村洋の同新書の「ハプスブルク家」に続く「女たち」であるが、出版社の思惑通り「柳の下に二匹目の”どぜう”はいなかった。前著とかぶっているところが多いのは仕方がないにしても、スペイン系ハプスブルク家の女御をまったく記述していないのはこの人の趣味か、それとも単に忘れちゃったのか。

 無能王フェリペ四世の娘で、ベラスケスが”ラス・ヒメネス”で描いたあのマルガリーテ王女と鏡に映った王の嫁さんマリアナはどうしたのか。オーストリア系にしても、相変わらずこの人はマリー・アントワネットのことは、前著同様まったく書いていない。
 一方、マリーの母でありオーストリアの”命の母”でもあるマリア・テレジアにはぞっこん惚れ込んで徹底的に書いているのだ。前著でも何回もその偏愛振りを窺い知る事ができる。マリア・テレジアは決して美女と言うわけではなく、マザコン江村は、奥さんに遠慮してマルガリータとかマリーのような可愛い人がお嫌いなのかもしれない。そういうフリをしているのかもしれない。マリーには、前著で「あのふしだら女」とまで罵倒している。

 江村は、ハプスブルク帝国の維持拡大に励む保守反動女性に興味を持っているようで、最後の皇帝カール一世の后パルマ公ツィタの帝国復興に掛ける意気込みに興味を持っているようである。反面、ナポレオンのような革命家に対しても「コルシカのならず者」といっているのだ。やれやれ・・・・・
 ここまで偏向的なものを読まされると、東大の西洋史の先生たる者は、この程度の新書においても保守反動的な自己の立場の姿勢を示しておいたほうが、今後の御身のためには有利なのだろうかと勘ぐってしまうのだ。

 読者が彼の知識を鵜呑みにしなければ、総じてよく書けているとは思う。
入門しました! ★★★★★
ハプスブルク通を目指す入門書としてぴったり。私も入門させていただきました。
マリア・テレジアやエリザベート皇后など日本でも有名な女性ばかりでなく、初めての名前も多く、エピソードもとても興味深いので一気に読めました。
これを読むと、もっと深いところが知りたいという願望が湧き上がってきます。
全体の構成がよくまとまっているし、文章もてらいが無いのにロマンチックなところがあるのが魅力的でした。
同じ著者の「ハプスブルク家」とあわせて読むとハプスブルク家通になること間違いなし ★★★★★
江村氏には「ハプスブルク家」という名著があるが、それを通史とするならば、ハプスブルク家に生まれた、あるいは嫁いで来た女性に的を絞り、関連する事件にも触れた本書は、列伝を読むような面白さに満ちている。同家に関心のある人は、江村氏の「ハプスブルク家」と本書とを買って、まず「ハプスブルク家」を先に読むとよい。どちらの本も平易な文章で実にわかりやすい。ただ、「ハプスブルク家」は同家全体を総覧できる系図がなかったが、本書の巻末にはそれがある。よって、その系図を参照しながら「ハプスブルク家」を読むと、同家650年の歴史の概要を一層的確に把握できる。その後、本書を読めば、歴史ファンとしては同家について一通りのことは学んだと言えよう。第一章「ブルゴーニュ公家との縁組」は「ハプスブルク家」でもカバーされていたが、第二章のネーデルランド総督として尊敬を集めたマルガレーテからいよいよ本書の本領発揮で、最後の第八章まで読書の醍醐味を堪能できる。本書で教えられたことは多い。ブラジル皇后になった皇女、ともにバイエルンから嫁いで来たゾフィーとエリザベートの嫁姑の確執がエリザベートの放浪の一因となったこと等。特に最後の二章は、「ハプスブルク家」ではあまり触れていなかった第一次世界大戦前後の政局と同家の動静の理解に役立つ。マリア・テレジアまでは女性を「産むための機械」視してきた時代であり、女性は政略結婚の道具であることが当然だったが、19世紀に入ると(近代的自己の確立とでも言うべきか)ハプスブルク家の一員であることを苦痛に感じる男性が増え、身分違いの結婚に走ったり、皇族であることを拒否さえする者も登場し、逆に皇妃になった女性は行動力に富み、王家の絶対性に固執する者が登場するようになるのが興味深い。なお、本書ではマリー・アントワネットには触れていない(彼女の一生は有名すぎるので)。