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ハプスブルク家 (講談社現代新書)

価格: ¥777
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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もっとハプスブルクを知りたいと思わせてくれる一冊 ★★★★★
結婚政策によって版図を広げ、多民族を包含することになったハプスブルク帝国。
19世紀民族主義の嵐に苛まれ、第一次大戦とともに崩壊したこの多民族国家は、
近年の欧州統合の動きの中で再び注目を集めるようになっている。

そして本書は、ハプスブルク家の主要な君主4人、
すなわちマクシミリアン一世、カール五世、マリア・テレジア、フランツ・ヨーゼフを中心に据えて
7世紀にわたるハプスブルクの歴史をたどるものである。

恐らく数多いる君主たちすべてを論じることになれば、紙幅の都合から味気ない記述になっていたことだろう。
その意味で、君主を絞って論じようとした著者の試みは成功したと思う。
豊富な図表によって、君主たちがただの名前ではなくビジュアルとともに印象付けられ
さらには数々のエピソードによって、君主たちへの興味が掻き立てられるからである。
こなれた文章で読みやすく、ヨーロッパ史に興味を持つ方には一度手にとって欲しい好著である。
ぎゅっとおいしい! ★★★★☆
多くの新書が毎年、毎月出版されている中で1990年に出版されたこの本が未だに本屋さんで並んでいたり、
レビューの投稿が未だにあるというのがこの本のすごさを物語っているように思います。
今年出版された歴史にまつわる新書のうち2030年にも現役で活躍できる本は何冊くらいあるだろうか?
と思うと、やはりすごいなぁと思います。

学校での授業では時間の制約もありますし出来事優先でその人物がどのような人であったかはあまり重きが置かれていなかったように思います。
ところが、この本では人物に対する描写がとてもわかりやすく、
どんな人だったかイメージを持った上で歴史上の出来事を理解する事が出来ます。

遠い昔の幅を利かせていた一族、といったイメージではなく、
もっと身近に一人の人間として共感できる部分がたくさんありました。

もっともっと知りたいなと思わせてくれる良書だと思います。
私は世界史に詳しい訳では全くないですが、そんな人こそお勧めの本かなと思いました。
もちろん、詳しい方が読まれても面白いとは思いますが。
コンパクトな入門書 ★★★★☆
 中世・ルネサンス・近代の各時代の歴史を覗くと必ず目にする王家がある。ハプスブルク家である。11世紀に歴史舞台に登場してから20世紀初頭の第一次世界大戦まで存続した、ある意味でヨーロッパの屋台骨とも言える一族だ。

 20世紀の中欧・東欧が辿った苦難の歴史は、ある意味で民族自決の熱意が暴走してハプスブルク家を滅ぼしたことによる因果とも言える。小民族はある程度まとまって外敵に立ち向かわなければ、古くはオスマントルコ、近代ではプロイセン、ソ連、ロシア、ドイツ等の強国に良いように蹂躙されるのみである。

 本書はハプスブルク家の勃興から絶頂期、ハンガリー帝国として最期を迎えるまでを非常にコンパクトにまとめた入門書とも言える。欧州史の理解に大いに役に立つと思える。
今宵、命の母をあなたに! ★★★★★
 本書は1990年に初版が出て既にロングセラーとなっている名著であるが、私は本書を読む直前に2008年8月に出た中野京子の「名画で読み解くハプスブルク家12の物語」を読んでいた。順序的には逆であるが、私は中野の絵画を使ったこの名家の栄枯盛衰物語をとても楽しく読んだ反面、もっと詳しく知りたいと思い、本書を読むに至った次第である。
 
中野のものは絵画の解説を中心におくため、細かな歴史的背景は省略されているが、概略をこれで把握しておいたので、本書にはとても素直に入り込むことができた。

本書は、ハプスブルクの稀有な人物のうち、”最後の騎士”と謳われたマクシミリアン一世、スペイン系とオーストリア系のハプスブルク家により文字通り”太陽の没することなき大帝国”を樹立したカール五世、オーストリアの”命の母”マリア・テレジア女帝、そして”ラスト・エンペラー”フランツ・ヨーゼフの4人を中心に約7世紀にも及ぶ王朝絵巻を描いている。

同じハプスブルク家を描写するにしても、書き手によってここまで印象が違ものかと思うほど、中野と江村では書き振りが違っている。これを比較しつつ読むのも面白い。中野はマリー大好き人間なのだが、江村はむしろ彼女のおっかさん、”命の母”マリア・テレジアにぞっこんのようだ。オーストリア継承戦争と続く7年戦争での列強に対しての支援要請等の獅子奮迅振り、国内改革業務の大胆さ、さらにその人となりに加えて母としての女帝ぶりまで、延々とこれでもかこれでもかと書いている、やれやれ、やれやれ、マザコン、マザコン・・・・・。

とはいえ、本書はアマチュア歴史ファンにとって、ハプスブルク家の概略を知るためには極めて読みやすい好著であると思う。
しかし、しつこいようだが、これから読むなら、まず中野の前著を読んでからのほうがよりわかりやすいとは思う。中野の冒頭の系図は、オーストリア系とスペイン系を明確にしていることもあって、なかなか良く出来ているのだ。

 

入門書として最適 ★★★★★
歴史に突如現れ、実質上の「帝国」を築いたハプスブルク家の勃興、栄華、終焉までを4人の代表的人物を軸に描いている。

如何に権力を得て如何に拡大したか、ハプスブルク家の人間達の信条や特性、そして時代背景がうまく絡められて書かれており、すらすら読める。また、ある史実についての肯定的/否定的双方の歴史的解釈を載せており、なるべく中立に立った解釈を行おうとする筆者の意識が伺える。一方で、事実だけでなく、うまくストーリーを持たせたり、エピソードを引用したりしてところどころで理解を助ける配慮がなされている。

ハプスブルク家についての入門書として最適。