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北朝鮮に消えた友と私の物語 (文春文庫)

価格: ¥1
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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20世紀の大きなあやまちのうちのひとつ ★★★★★
『あのころみんな北朝鮮がすばらしい国になると思っていた。』
この一言が、単行本初版で買った本書を読み終えた私の心に深く刺さってしまった。

1959年以来約10万人もの人が海を渡って北朝鮮へ’帰って’行った。
誰もそれが地獄への一歩となるとはゆめゆめ思わなかったであろう。
一方通行になるとも知らず、彼の国の宣言するあたたかな受け入れの言葉を信じて。
大切な生徒を送り出してしまった恩師・止められなかった著者が
取り返しの付かないことをしてしまった後悔の念を告白していて、
大変勇気が要ることだと思った。


最後になるが、電話口に本当に友人はいたのだろうか。
あるいは著者を誘い出す口実だったのか。 
好きでいったのではない赤旗特派員だからこその信憑性 ★★★★☆
北朝鮮に関する本はいくつか読んだが、どれも衝撃的ではあるが、作者がはっきりしていない、もともと興味があって北朝鮮に出かけたなどなど、全て信頼してよいのか疑問が読後頭を掠める。しかしこの本に関しては赤旗の特派員であるし、北にとっては友好的だと思われる人物でさえこのような扱いを受けたのかという点では興味深く、信憑性がある。また、時を忘れ、作者に感情移入し一気に読むことができた。
「理想」という名のもとに ★★★★★
この本は萩原氏の自伝的な作品になっており、戦後民主主義の日本ではあまり語られない、日本や朝鮮半島の歴史が語られており、興味深いと思います。

「地獄への道は善意で敷きつめられている」とよく言われますが、この本は、そんな言葉を思い出させます。善意が必ずしも人を幸福にしない現実、理想のために理想に縛られ、理想に翻弄される人々。人間社会の複雑さや、人間の業について考えさせられます。

この本を読めば、理想や善意の取り扱いには注意するという教訓が得られるのではないでしょうか。
必読だと思う ★★★★★
 学生時代、苦楽を共にした著者の友人たちが北朝鮮へ渡航していった。そこに楽園があると信じて。しかし、全く正反対の牢獄のようなところだった。友人たちのその後はどうなったのだろうか・・・。物語中盤で語られる済州島での革命運動と弾圧、挫折に関する著述は、予備知識がなかったため少し難儀したが、それ以降の後半の展開はぐぐっと引き込まれ、一気に最終章まで読み進んだ。どれくらいの人たちが犠牲になったのだろうか。そして今なお出口のない袋小路で呻吟している人たちの存在・・・。なんとかしなければという気持ちになる。北朝鮮関連のノンフィクション作品としては、価値ある一冊だと思う。よど号グループを扱った高沢皓司の『宿命』(新潮文庫)とともに推奨したい。
もっと早く読めばよかった! ★★★★★
通勤電車毒読書で、4日間一気に読みました。

北朝鮮がそこまでひどいとは・・・。
しかも北朝鮮の恐怖政治は今にはじまったことではなく、日本の敗戦直後から
延々と続いていることを、恥ずかしながら初めて知りました。
この本を、もっと早く読むべきだったと後悔しています。