悪く言えば日々の日記を本にしただけ
★★★★★
悪く言えば日々の日記を本にしただけなのですが、とっても面白い。読み始めると止まらない。
ちょっと怖い体験もありますし、よく女性一人でこんな旅をされたなとは思いますが、それにしても面白い本です。
作者のスタンス
★★☆☆☆
『深夜特急』のような紀行文を期待していたのだが、違ったようだ。
なにか出来事があるわけでもなく、単なる女性の旅行記。
ブログ的な軽さで、物足りない印象がある。
また、マナーや環境問題など様々なシーンで日本と中国を比較しているが、
筆者はどうしても中国の方が素晴らしいという結論にもっていきたいようだ。
結論ありきのためか、いささか強引な理論で
物事を一面からしか見られない筆者の稚拙な面がうかがえる。
(例:日本人は自分を馬鹿にされているのかだまされているのか
考えもしない従順な消費者である、等)
どこに向かって発信したいのか、もう少し考えて欲しいと思った。
中国に魅了された人に
★★★★★
この本が発行された頃、私自身とても中国に関心があり,中国のナニかに魅了されている時でした。
なぜ自分はこの中国にこんなにも夢中になり、もっと知りたいと思うのか?
自分でうまく言葉で表現したくても出来なかった中国を、星野さんはこの本でさらっと表現されていて感動!
読みやすい素直な文章でしかも面白く(中国へ行った事のある人なら更に楽しめる)、
かなりお気に入りの一冊です。中国に興味がある方は是非!おすすめです。
中国の人たち
★★★★☆
1996年に情報センター出版局から出た単行本の文庫化。
著者が1993-94年に中国を旅したときの記録。東興、広州、廈門、平潭、長楽などを訪れ、土地の人たちと交流するさまが描かれている。わりと小さくて田舎の町が多い。
メインは中国の人たちとの交わり。バス路線の経営者、元漁師、少林寺拳法の見世物師、レストランでふと知り合ったキャリアウーマン。中国の経済自由化の波に乗っている人もいれば、伝統的な世界に留まっている人もいるし、両者の狭間で引き裂かれている人もいる。そんな人たちと会話を交わし、彼らの寂しさ、空虚さ、つらさを引き出していく。そんな旅行記である。
会話の描き方が上手い。人間性が巧みに表現されており、その場の雰囲気が伝わってくるようだ。
けっこう重い本だが、光るものがあった。
生きていく中国人
★★★★★
中国華南の沿岸沿いをバスに乗っていく女一人旅。ただひたすら中国人を知りたいという動機で、放浪
しています。いく先々で知り合いになった中国人の話を書き綴っているのですが、中国人のたくましさ
に感動すらおぼえます。本の終盤にかかれていますが、日本式人生システムにのっていると、自分で
道を探さなくてもなんとか生きてはいけます。が、よりよい収入、生活をもとめて密航をも辞さない
中国人に比べると、日本式はあまりに生命力の欠落したものに感じられます。
読むと、自分にも可能性があって、それは自分次第で実現できるものなのでは?と考えてしまいます。
題名が安易な感じがしてそこはちょっとなんですが、題名から想像するよりはるかによい旅行記であり、
体はって書いてます、という感じがとてもいいです。読み応え十分で良著です。