特に潜水艦は、停泊している際にも民間人が乗船する機会など皆無に等しい。著者はよほどの信用を自衛隊に克ちえているのだろう、二回も潜水艦の航海を経験している。
呉のタクシードライバーは乗車した瞬間、その人間が潜水艦のりであることを見極めるという。そういったエピソードも本書で始めてしるおもしろい事実だ。
潜水艦は塩分濃度や海中温度によってソナーの性能が大きく分岐し、それをしることは、その海域で行動する艦にとって命に関わる貴重なものだと本書は教えてくれる。
中国によって堂々と領海の海が、海洋調査船の活動によって裸にされていく。
外務省の官僚や、政治家が本書を読んでどんな感想を持つか聞いてみたい。
国の防衛の為に、日々命をすり減らし活動する彼らを、どうして同胞である我々が後ろから背中をつつくような、そんな行為を許すのだろう。本書を潜水艦に乗務する彼らの本質をしれば、そんな行為に怒りがこみ上げてくるに違いない。