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目撃者―「近藤紘一全軌跡1971~1986」より (文春文庫)

価格: ¥12
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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「夏の海」について ★★★★☆
近藤紘一の一周忌(87年)に単行本として刊行された作品の文庫版。

単行本は、著者の執筆活動を「記事」「ルポ」「評論」「エッセイ」「創作」の五つに分類、生前単行本として刊行されなかった作品(ただし「創作」に収められた「仏陀を買う」を除く)が収められていたが、文庫本ではこの中の「エッセイ」と「創作=小説」だけが収録されている。

「創作」に収録されている「夏の海」が印象に残った。不幸にも死に別れてしまった前夫人の遺稿集に寄せた、彼女との思い出を綴った文章なのだが、弔辞と考えればこれ程美しい弔辞はないと思える。解説の沢木耕太郎が「詩的随想」と記したのも頷ける。

著者と彼女の不幸な別れについては、彼の多くの作品で断片的に触れられてはいたが、それは彼女が不幸な亡くなり方をしたという事実、それによって彼が心に深い傷を負ったという事実が大部分であり、彼女との思い出が直接語られる場面はなかったはずである。

もともとこういった感傷的な文章はあまり好きではないのだが、近藤紘一の作品のほとんどを読んできた私にとって、この「夏の海」は、好き嫌い以前に読まなければならなかった作品なのだと思う。文章が美しければ美しいと感じるほど、彼に対する痛々しも増してきてしまった。

もちろん、初めて手に取る著者の作品がこの「目撃者」であっても悪くはないが、他の方も書かれているとおり、彼の原点ともいえる著作(「サイゴンのいちばん長い日」「妻と娘シリーズ」)読み、彼の背景にあるものを知ってから手に取ることをお奨めしたい。そうすればこの作品の良さがもっと分かるはずだ。
後からじわじわくる味わい深さ ★★★★★
出来れば、"サイゴンの一番長い日"や"サイゴンから来た妻と娘"の一連シリーズを読んだ後で手に取ってほしい一冊です。
(彼の足跡を時系列で追うにも、思考を理解するにも、それがBest wayではないかと思います)

プロローグとして、近藤さんの葬儀の際に司馬遼太郎氏が読み上げられた弔辞が載せられています。

この美しく張り詰めた弔辞からだけでも、近藤さんの人となりを窺い知ることが出来ます。
この本までに未収録だったエッセイなども沢木耕太郎さんの手によって編集されたことにより、いっそうその深みが増し、読む側も理解しやすく仕上がっています。

近藤さんの著作はほとんどすべて読んでいたにも関わらず、見落としていた視点があったことをこの本によって気づかされました。

ヴィエトナムに興味があるなしだけに留まらず、ジャーナリストとしての近藤さんの鋭敏さ、そして一人の人間としての寛大さ、素晴らしさを再認識させられる一冊です。

ベトナム好きの人も、そうでない人も ★★★★★
近藤紘一さんの本を始めて読むなら、このエッセイ集がお勧めです。この本で近藤さんが大好きになってしまいました。人間味あふれるやさしくユーモアあふれる文章で、ベトナム戦争前のサイゴンの様子や、価値観、近藤さんという人間の考え方、ものの見方が伝わってきます。
世界の動物園の話も興味深い。

彼のように、世界を見つめられる人はどのくらいいるのだろう。