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Bush at War (Bush at War Part 1)

価格: ¥825
カテゴリ: ペーパーバック
ブランド: Pocket Books
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 『Bush at War』は、2001年9月11日の同時多発テロ後の3か月間に焦点を絞っている。この間、アメリカはアフガニスタンでの戦争の準備を進め、対イラク先制攻撃に向けて動きだし、国土防衛を強化し、潤沢な資金を得たCIAが世界中でテロとの見えない戦争を開始した。文体はまさにウッドワードそのもの。重要人物と会える立場を存分に生かし、ニュースの裏側で繰り広げられる権力闘争や意思決定のプロセスを、ほぼ1日ごとに詳しく説明していく。ウッドワードは執筆にあたって100人以上にインタビューを行ってテープに録音した(その中には匿名のものもある)。大統領と4時間に及ぶ独占インタビューを行い、閣僚会議のメモや、機密扱いとされた報告書にも目を通している。

   とくにすばらしいのは、ブッシュ大統領のリーダーシップのスタイルに対するウッドワードの分析だ。ブッシュは、彼自身が直感を重視する「本能で動く人」だと表現するように、常に行動優先で、閣僚のメンバーにもはっきりとした成果を出すようにプレッシャーをかけ続けている。いわゆるブッシュ・ドクトリン ―― どこまでもテロリストを追いかけるだけでなく、彼らをかくまうグループや国家も対象とするというアメリカの政策 ―― は、ブッシュが自ら考えて公表し、ディック・チェイニー副大統領、コリン・パウエル国務長官、ドナルド・ラムズフェルド国防長官には事前に相談しなかったという事実はとても興味深い。

   そのほかの重要人物についても、同じくらい詳しく描かれている。国家安全保障担当補佐官のコンドリーザ・ライスは、やわらかな物腰でミーティングでもややひかえめな人物として登場するが、その一方で、ブッシュは率直な助言をライスに求め、閣僚のメンバーに彼の考えを伝えるために彼女をおおいに頼りにしていることが、はっきりと書かれている。何かと緊張したものになるパウエルとラムズフェルド(と、そこまでではないにしろパウエルとチェイニー)の関係については、イラクへの対応や、同盟関係の強化か単独行動かといった点についての両者の相違が浮き彫りにされている。また、ウッドワードはCIA長官のジョージ・テネットがどのようにしてアフガニスタンの民兵グループを組織したかを描き、それがいかにして国防総省とCIAの協力体制という新しい時代の扉を開くことになったのかを解き明かしていく。

   価値の高い、ときに啓発的でさえある本書は、ブッシュ大統領の足跡を豊富な情報で明らかにする初めての本である。(Shawn Carkonen, Amazon.com)