真のやすらぎは家庭料理にある、というのが辰巳芳子さんがくりかえし語っていることだ。食育という言葉は、ちょっと変な風に使われているが、母親の手料理が拙かったりしたら、どれだけ生きる喜びが失われてしまうだろう。若いお弟子さんたちを相手に「家庭はこの世の天国です。あななたたちは、その天国を創造するというクリエイティブな仕事に招かれているのです」(うろ覚え)と真剣な眼差しで語っていたテレビの姿が忘れられない。