中学時代にはペンチとういあだ名で呼ばれ、長じてからも家電製品を自分で修理してしまう純が、なぜ2002遺言に至るまで一切「コンピュータと縁の無い暮し」を続けるかといえば、とりもなおさず本作で描かれた東京から遊びにきた子供と起こす事件がトラウマで在り続けているからでしょう、
常識的に考えて純ほどに機械が好きであれば、特に90年代後半以降にコンピュータを生活から遠ざけることは考えられません、逆に見れば、もし純がコンピュータを操作してしまった瞬間から物語の性格はずいぶんと違ったもの成ったはずであり、極論すればまったく違った物語、もしくは純の成人以降の番組は制作できなかった可能性も高く、84年の時点で彼にこのような性格付けを与えた製作者たちの慧眼には敬服します、
本作における純と正吉の東京から来た子供に対する嫉妬・羨望・僻み、そして残酷さは、戦時中に田舎へ疎開した子供達の多くが後に記録に残している田舎の子供の残酷さと同じなのでしょう、同様の残酷さがいまも全国に受け継がれていないことを祈りたいものです、
純と正吉が大人になる一歩手前の貴重な作品です。
最後の本当のことをいう場面を見ていると、純と同じ年の頃の気持ちに戻るんです。胸が苦しくなるというか・・・。正直最後の場面になるといつも映像を止めてしまいます。勇気を出して見なければって思うんですけど・・・。