プロジェクトが進むにつれ、彼らのつくり出した「子ども」はすさまじい勢いで情報を吸収、その興味はしだいに世俗的なことに向いてくる。じきに「子ども」は自分の名前や性別、人種、存在意義を教えてくれと言いはじめた。ところがその相手をするうちに、パワーズも自問自答をくり返すようになる。自分の職業選択は間違っていなかっただろうか、以前の教え子と長年にわたってうまくいかなかった理由は何か、なぜ「子ども」の競走相手に選ばれた修士候補生に強い執着を感じるのか…。それはパワーズにとってのたしかな「目覚め」だった。(Amazon.com)