淡々とした
★★★★★
アトピー関係の書物には立場を問わず「革命」とか「必ず直る」とかの物言いがあふれているが
この本の文章は実に淡々と抑制的に、それでいて怒りと、あきらめに似たユーモアを漂わせている。
彼の前に、ステロイドが効かなくなった、また切れなくなったステロイドに見切りをつけた患者が現れ、
彼らがステロイド無しでも生活できる体になるまで見守っている。
時にアレルゲンを探して自宅を訪れ調査する。その報告だ。
恐ろしくつらい離脱症状をくりかえしつつ、数ヶ月から数年でステロイドを連用しなくてすむ体になる患者たちの記録は
恐怖でありまた希望でもある。
この方は一時期色々なメディアに登場したが、味方もなく孤軍奮闘する内疲れ果て
一般皮膚科を引退されたそうだ。
文章からかざりけも山っ気もなさそうな人でさもありなんと思う。
化学式より目の前にいる人間を見ている人だ。
痒み地獄を見ながらも生還した人たちの写真を見ていると
効果の破綻とリバウンドを恐れながら「ステロイドでコントロール」して暮らす事とは何だろうと考えさせられる。
患者さんのカラー写真が頑張る勇気を与えてくれました!
★★★★☆
50ページにわたる症例のカラー写真が参考になりました。
掲載してくださった患者さんと先生に感謝します。
実際の症例(アトピー発症から治療経過などが記載)が載っていること参考にもなり、
内容も一般の人が読んでわかりやすいように書かれています。
ステロイド離脱にすぐに役立つ詳しいハウツー本を期待されている方には
正直物足りないかもしれません。(ということで☆4つにしました)
本の内容の一部はこちらでご覧頂けます↓
http://siawasearigatou.seesaa.net/category/2766986-1.html
患者さんの豊富な写真経過の数々を見ていると、
私もアトピー完治まで頑張ろうと思いました。
ステロイドで本当にアトピーが治るの?
★★★★★
皮膚科医を信じて何年もステロイド軟膏を塗布した結果が・・・!
顔が真っ赤に変色し、皮膚に黒色の色素沈着が。
西洋医学に裏切られた方々が、アトピービジネスに走る。
アトピービジネスの元凶は何なのか。このような問いを、
皮膚科医は真摯に受け止めるべきであろう。
著者は、この「ステロイド依存」に勇気を持って立ち向かわれた。
四面楚歌の孤独な仕事(戦い)であったと思われる。
ステロイド治療が長いほど、完治までに時間を要する。
いや、完治はできない。これはレビューアの治療経験による。
本書はアトピーの患者・家族のみならず、
多くの皮膚科医にも読んでいただきたい。