アトピー性の湿疹に悩むすべての人のための福音書的な価値を持つ書物と確信する。私はほぼ全面的に佐藤健二医師の採り入れ、市販の比較的安価な塗り薬を取り寄せ自分だけで治療した結果、1年以上も改善なく困り果てていた湿疹が１〜２カ月の間にほんの少しずつだが確実に快方に向かっている。もう後戻りすることはないと確信している。佐藤医師の理論の正しさが証明されたと思う。感謝している。

この本は脱ステロイド・脱保湿の有効性や適切な実施方法について、
客観的かつ網羅的に述べられている。

私はこの本を知る前に脱ステロイド・脱保湿に踏み切った。
踏み切ってから一時的な悪化症状が続き、
「これで良くなるのだろうか」
「つらいのでステロイド使用を再開しようか」
という不安で精神的につらい時期が続く。
これは脱ステロイド患者に共通の状況だろう。

私はたまたまよきアドバイザーがいたために、
その不安を軽減することができ、
つらい時期を乗り越えつつある。

この本の内容は理論的であり、
また多数の患者例からの帰納的な判断があり、
脱ステロイド中の精神的悩みを解消するのに必要十分なものを有している。
結果私にとっては正直そのアドバイザー以上の役目を果たしている。

脱ステロイドを検討している方には、
ぜひよく読んで頂いて欲しいです。

この本の内容だけでもかなり有用ですが、
できれば脱ステロイドに理解のある医師の管理を受けながら、
脱ステロイド・脱保湿を実施して頂くのが望ましいと思います。

このレビューをご覧になって、
少しでもアトピーに悩まれている方の参考になればとても嬉しいです。

成人型アトピーとタイトルにあり、新しい概念なのか?乳幼児は対象ではないのか?ととっさに思いましたが、そこには激増し続けるアトピー患者の本当の理由が、現場に携わり続けてきた医師により言及されています。

ステロイドを処方し続ける皮膚科医がいる一方、その同じ皮膚科医がステロイドの影響について、あくまでアトピーで苦しむ患者の立場に立ち、長年の診療現場から見えてきた真実、医療業界の現状、未来のアトピー治療のあり方について、新たな提言を行っています。

未来の子ども達まで、アトピーで苦しめない為に。

脱保湿という重要なキーワードにも、必ず目を通して欲しい一冊です。

本書の序章に以下があります。その通りと思われる方は読まれてはいかがでしょう。

ステロイドを使いたくないといっている患者の行動を「ステロイド忌避（きひ：きらいさけること）」という言葉で皮膚科医などが表現していることについて一言述べたい。私の所で脱ステロイド脱保湿を行って一、二ヶ月経った頃に「すべての外用を中止すれば一ヶ月ちょっとでこんなに痒みが減り、皮膚がよくなってしまった。私はこの１０年間、一体何のために皮膚科に通いステロイドを外用してきたのかとつくづく思う。皮膚科へ行けば『きちんとステロイドを塗ってないのと違うか』『もっと真面目に治療せなあかん』などと怒られっぱなしだった。きちんと塗ってもいたし、言われた通りに保湿もしてきました。医師は私の言うことを信じてくれませんでした。だから、時には民間療法にも高いお金を使っていました」と言う。そして、「腹は立つけど医師に直接文句は言いにくいです」と言って自分を慰めている。忌み嫌われているのはステロイドであろうか、それとも患者の訴えを聞くことができず皮疹の変化を認識できないステロイド一点張りの医師なのであろうか。ステロイドの新しい副作用を認識できずまたその副作用の治療を知らない皮膚科医は、ステロイド外用剤を上手に使用する専門医とは決して言えない。