おそらく日本語で書かれた最良の精神療法の書物
★★★★★
従来にない叙述の仕方に最初は驚くが、自己の経験を最大限にまで蒸留化した貴重な提言であることが分かる。特に圧巻は第9章特殊な状況である。この本の中で、最小限読むべき箇所はと問われれば、第9章と答えよう。この章以外は、本章を理解する上でのリファレンスとも言える。
蛇足ながら、本文の各章の中で他の章を参照することという記述が多いが、これはどのようにして書かれた書物なのであろうか。自己の想いを全部はき出してから、再度、切り捨てていったという経過をたどっているのであろうか。不思議な書である。