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青山娼館 (角川文庫)

価格: ¥637
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川グループパブリッシング
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私には難しすぎた ★★★☆☆
小池さんの作品には、いろいろな形の恋愛が登場しますが
本書の中でも、不思議な恋愛が出てきました。

奈月と川端、この二人が身体を合わせているシーンで
物語は終わるのですが、二人の間にあるものは何だったのか
それがどうにも理解できませんでした。
単なる恋愛で結びついた訳ではなく
麻木子へのそれぞれの想いを介して、二人は心を近づけていく
二人が抱き合っている時も、常に麻木子への想いが頭にある。

そのような「恋愛」があるのかなあ?
私にはできそうもない恋愛だな、と思うのです。

もっとも、青山娼館自体、現実離れした世界の話なので
娼館を中心に繰り広げられる「世界」を、現世の恋愛基準で読むこと自体
無粋な読み方なのでしょうね。

不思議な世界、不思議な恋愛を味わえる人にはオススメです。
もっとも私は十分に読み込めなかったので、星3つです。
(私がついていけないことが原因ですが・・・。)
小池さんならではの夜の艶 ★★★★★
これは評価の分かれる1冊だと思います。

でも、個人的には5つ星。

小池さんの真骨頂です。いつかは書きたかった夢の世界。
娼館という特殊な場所だからこそ書ける文章があったはず。

特に女性からの支持は2つに分かれるところだと思いますが、
イメージにもぴったりくる本書は、よく読めば、
しっかり小池さんの表現したかった艶のある景色が
見えてきます。

夏の深夜にテラスで読みたい本書。
心の奥に纏わりつきます。
女性の一面 ★★★★☆
小池さんの描くどんよりした性の一面。女性でありながらそれが重荷でそうして自分から逃げないで生きていく姿には毎回共感します。”生きていくことの殆どが諦めとの戦い、、のくだりは小池節であるとおもった。負けない、流されて、涙しても行き続ける彼女の描き続ける女性の本性ではないだろうか?登場する男性像についての落胆はありました。でも幻影的な描写のストーリーではいいのではないでしょうか?次回続編期待したい一作です。
ちょっと説得力に欠けるかも・・・ ★★☆☆☆
「東京・青山にある高級娼婦の館で働く女奈月(32)が、最愛の娘と親友を失い、その後の絶望と再生の日々を描き、現代の愛と性とモラルの極地に行き着いた衝撃の長編小説」、という派手なキャッチフレーズだが、今までの小池氏の小説ほどの感動はなかった。まず、なぜ人生に絶望した主人公が娼婦にならなければならないのかという点。孤独の極地にいる奈月は人肌を感じることができるという理由で娼婦という職業という職業を選んだかのごとくだ。読者は納得しがたい 。 また親友が自殺するが、その理由も読者には納得いくものとは言いがたい。さらに、高級娼館という設定自体にリアリティに乏しい。久々の新作なので、とても期待していたのだが期待はずれだった。無理やりにつじつまを合わせようとした感が強く、そのため長たらしい説明となり、それがうっとうしかった。
生きつづけることの壮絶さ ★★★★★
青山娼館というその小説の名前から簡易に連想されるものと実際に、強く作者がメッセージとして伝えることは異なるようだ。舞台として、確かに、日常生活とかけ離れた世界の存在を描写するのは、小池真理子ならではできることであろう。この小説をタブロイド紙の追うようなセレブの特別な世界のような安易なものにしないのが主人公の奈月の圧巻な強さである。娘を不慮の事故で亡くした彼女や、肉親の自殺の過去に苦しめられる奈月の友人の存在。
高級娼婦に求められるものは何か。ひいていえばいかなるプロフェッショナルな職業に関しても求められるものは何か。この小説はそれを強い勢いで伝えてくる。壮絶な人生を経験していないと思っている人には受け入れがたいかもしれないが、私は本当のところ誰もがそれぞれに壮絶な経験をしていると思う。(それがいじめであっても、離婚であっても肉親の死であっても)それでも生き続けるものはその事実を真っ向から、憎み、怒り、それでもなお生き続けるのが容易な覚悟ではできない事を娼館という一見エレガントな舞台という覗き窓を通して伝えてくる。
そして、本当に素晴らしい娼婦というメタファーで語られる、肉体的、精神的にぎりぎりまで追いつめられるプロフェッショナルを描き出す事で、実際にプロフェッショナルでなかろうとも人間である限り、実は誰もがぎりぎりのところに追いつめられながらも、必ずしも希望等といった快活な動機によってでなくとも、ある種の決意によって、生き続けていく事をこの小説は伝え、人間を賞賛していると思う。