そんな黒田氏の「気剣体一致の武術的身体を創る」に収められている「無足の法」。歩いて歩かずといった歩法ですが、ナンバ同様重心の移動にともなって動くことを主体としています。そして、この無足の法がすべての技法の根本であり、型を通して養うべき身体感覚のようです。
また、興味深いのは畳一畳で三十回、四十回と前受身をとるというその技法です。映像で資料がないのが残念ですが、この一畳受身をこなす身体運用もまた日常を否定した「武術的身体」のなせる技のようです。