名著
★★★★★
14歳のとき、初めて寺山修司を知った。
映画「田園に死す」、「ポケットに名言を」、「幸福論」、「書を捨てよ、町へ出よう」、そしてこの「両手いっぱいの言葉」。
心のなかで確立されずに彷徨っていた様々な価値観を急速に成長させてくれた。
難しかった。
★★★★☆
寺山さんの本を他にまだ読んだことがなく、この本が初めてでした。
なので、下に書いておられる方もいらっしゃいますが、言葉一つ一つがいきなり出てくる印象で、理解できない言葉も多々ありました。
とはいえ、エッセンスが凝縮されているとは感じられましたし、言葉を何度もかみ締めるうち、なるほど...こういうことかな?…深いなぁ〜...と読み進めることができました。
日本語の使い方の勉強にもなった気がします。
寺山さんの本を他にも読んで、また少し人生経験を積んでから読み直すのもいいかなと思います。
一番印象に残った言葉は、
ある種の人たちにとっては、反省することもまた快楽であるらしいのだが、反省は思い出を傷つける。快楽としての反省、そのおごりと改心癖は幸福論の最大の敵なのである。
というものでした。
詩人「寺山修司」
★★★★★
劇作家としての「寺山修司」の印象が強いかも知れないが、
やはり、本業の詩人としての作品はどれも素晴らしいと思います。
そして、少しHな作品などもあり、読者を飽きさせないです。
「どんな鳥だって 想像力より高く飛ぶことは できないだろう」
僕の人生観を変えた詩です。
寺山式の生きるヒント
★★★★★
よくある言い方ですが、人生に疲れて立ち止まったときにふと手に取りたくなるのがこの本です。「愛」に始まって「夢」に終わるまで、52個のキーワードで分けられた言葉たちがその都度生きるヒントを与えてくれます。
いろいろな作品から抜き出された言葉なので、前後の文脈が分からないといまいち意味を掴みきれないものも多々あると思います。ですがその意味を想像してみるのも楽しいですし、何より羅列された言葉の中には必ず「お気に入り」が見つかることと思います。その言葉によって救われたり、また歩き始める力をもらえたりするのでしょう。
私が印象に残ったのは「魂」の項にある、
「心なんて、一種の排泄物みたいなもんで、『夜になるとたまって来るが、朝になると出ていっちまう』ものだ。」
という一節です。詰め込みすぎると鬱になり、からっぽにすれば根拠のない希望が出てくるようなものなのだろうか、と考えました。書きものを夜にするとはかどるわけも、この言葉のおかげでわかりました。
本棚の手に取りやすいところに置いておくべき本ナンバーワンなんじゃないかと思います。
言葉をほぐす文脈が欲しい
★★★☆☆
詰め込まれた言葉の数々。もしかするとその言葉の前には、非常にたくさんの文脈が絡まりあっていて、その言葉は茨の森を一気に紐解くような感動を持つものなのかもしれません。でも私は、寺山作品をほとんど読んでいなかったためか、素直に入り込めなかったものが多くありました。
とりあえず寺山作品を読むのなら、これを読む前にまず一つの小説を読んだほうがいいかなと思います。