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20世紀言語学入門 (講談社現代新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
Amazon.co.jpで確認
私の中では最低評価 ★★☆☆☆
まず、本書を通じて作者が20世紀に大きな発展を遂げた言語学の概要について
書こうとしたことは、素直に評価したい。
幅広いテーマを扱いすぎて、全体がぼやけてしまっている印象は拭えないが…
本書の目的が、言語学の歴史を鳥瞰図的にみることだと考えれば、仕方がないと思う。

しかし、なによりの問題が、筆者の文体である…この人は、ワザと難しい言葉を使っている
のでは?と思うくらいに堅苦しい。しかもいまいち的を得ない表現が多い。
はっきり言って自己満足の域をでない、文章だと思う。

「入門」と謳っているのだから、もっと肩の力を抜いた文章を書いて欲しかった。
新書は、研究者や専攻学生だけでなく、これから言語学の畑に入ってくる人も読むものだ。
その点専門書や論文とは、全く違うものだということを考えなくてはいけない。

言語学の専門用語、哲学的用語の説明が簡単すぎるのも、非常に気になった。
「入門」と呼ぶのにはあまりに拙い内容であると思う。
扱う範囲が広すぎていないだろうか? ★★★☆☆
言語学以外の分野に関して触れすぎているような印象を持った。
言語学そのものを入門段階から学ぶ際には、普通「音韻論」ばかりを重点的に扱うことはしないだろう。
確かに、ソシュール以降の構造言語学が「音韻論」中心であったことは歴史的な事実ではあるが、「音韻論」や「記号論」に極端に重点が置かれすぎているのが残念である。
「言語学入門」ということばをタイトルに入れるのであれば、やはり「統語論」「意味論」「語用論」などへの言及をもさらに行っていくべきだろう。
かといって、現代思想を語るには言語・記号分野に偏りすぎているというのは否めない。マルクス主義に関する言及などもあったが、あれでは少なすぎる。
少し「器用貧乏な」本という印象である。
分かりやすいです。 ★★★★☆
 大変読みやすく分かりやすいです。言語学の知識が乏しい私でも気軽に読むことができ、ためになりました。
とりあえず流れだけは分かりました。 ★★★★☆
 1950年生まれ、フランス留学経験をもつ著者が、一年を言語学漬けにして1995年に刊行した入門書。20世紀初頭、比較言語学の内部批判者ソシュールが初めて言語そのものの本質(示差性)を探求し挫折した事実から本書は始まる。20世紀前半には、反歴史的で言語の共時的機能分析を通じた形式化を追求した構造言語学が支配的であり、帰納的音韻論のプラーグ学派、演繹的言理論のコペンハーゲン学派、共時的音声分析のアメリカ記述言語学派(新ブルームフィールド学派中心)の例が挙げられる。しかし、ナチスから逃れた亡命知識人の米国での出会いを通じて、戦後には言語学的方法を人類学へ適用し、構造による主体の無意識的な規定性を暴露した構造主義が主流となり、実在・想像とは異なる第三秩序としての象徴の領域が発見される。その後、第二期構造主義はポスト構造主義(ポストモダン)への移行傾向を示し、テクスト的戦略、ディスクール的戦略、流動する構造の分析、動的記号学、社会言語学等を通じて、構造をいかに動的なものとし、開くかという課題に取り組んでいる。構造主義以降は、対象化的言語(これまで理論化されてきた)の外部を目指し(条件の意識化)、均質化され対象化される以前の言語本来のあり方が問題にされている。さらにチョムスキーの生成文法やモンタギュー文法についても言及し、本書の叙述は終わる。言語学の基礎知識の無い私には、はっきり言って理解できない内容だが(つまり検証不可)、言語学の大きな流れ自体はよく分かり、戦後史に関心のある私にはそれだけでも十分ためになった。ただ、ソシュールの解説部分はよく分かった。
「再入門」に好適 ★★★☆☆
もう20年以上も前だが、某大学で言語学を学んでいたとき、比較言語学の教官が講義の冒頭に、「言語学は興味を抱きにくい学問である」という意味の事を言っていたことを、本書を読んで思い出した。言語という対象の始末に負えない多面性、とらえどころのなさ、方法論的な扱いにくさ……。教官はそんなことを言いたかったらしいのだが、「言語学っておもしろそう」という程度の動機で言語学コースに入った僕には何のことやらわからず、1年以上もたってからやっと教官の言葉の意味が少しわかり始めたときには既に遅く、「大変なコースを選んでしまった」とタメ息をついたものだった。

さて、本書は、言語をいかにして科学の対象に据えるか、というソシュールの苦悩を出発点に、ヨーロッパの構造言語学と音韻論の展開、アメリカの構造言語学とチョムスキーの生成文法、記号論の諸相など、20世紀の言語学が何を問題としてきたのかを要領よく説明してくれる有り難い本だ。現代哲学がなぜ言語学に関心を寄せるのかもよく理解できる。重要な用語や人名も過不足なく網羅されていて、バラバラに仕舞い込んだ知識を整理するのに大いに役立つ。

ただ少々難を言えば、「言語記号の恣意性」といった重要な概念の説明が粗略であったり、かと思うと、本筋からは外れるトリビアルな事項の説明に妙に力がこもっていたり、記述にバランスを欠く点を散見する。「入門」と題しているが、初学者の興味・関心を自然に喚起し誘導するための配慮が充分とは言えない。少なくとも僕は、何も知らないままこの本を読んだら、言語学を学ぶ気になったかどうかわからない。
あくまでも言語学や現代思想について既にある程度の知識を持っている人の「再入門」用として、本書を推したい。