タイトル通り、少林寺気功の本です。
少林寺と言うと武術を思い浮かべる方が多いと思います。逆に少林寺の気功と聞いて以外に思われる方もおられるでしょう。しかし、本書でも説明されていますが、少林寺は禅宗のお寺ですから、僧侶たちは長時間座禅を組んで座っています。そのため、運動不足で血行が悪くなってしまうので、それを改善させるために気功を行ってきたそうです。特に武術の鍛錬と組み合わせることで独自の気功法を発展させてきたようです。
この少林寺気功は長い間門外不出とされてきましたが、少林寺の第３４代最高師範である著者が日本に紹介しようと著したのが本書です。

本書は最初に気や気功のこと、少林寺気功の歴史などを説明した後に、基本となる気功である一歩座禅気功や四段功などをイラスト付きで解説しています。次に体の症状別に、それを改善させるための気功を３１種類紹介しています。高血圧に効くもの、腰痛に効くものなどです。また、女性向けにダイエットに役立つものも有ります。

イラストが多く、動作の解説も詳しいのが特徴です。ただ、本だけだと動きのスピードや間の取り方などが分かりづらいし、解説だけだと分かりにくい動きもありました。少林寺気功のチカラ―秘伝と健康メソッドの「実践版」にはDVDが付いているので、このDVDを見るとよくわかりました。こちらの本は解説が少ないので、本書と併せて活用すると良いと思います。

気功には多くの種類がありますが、この少林寺気功は武術が土台となっているため、動きも武術の型のようです。足腰の鍛錬になるような動作もあるし、かなり速い動きもあります。私は空手をやっていたため、この少林寺気功はとても自分に合っている感じがしました。買って良かったです。

そう言うことはさておいて、この本の内容はイイと思います。
前著『 嵩山少林寺第34代最高師範のこれが気功と武術だ!』よりも図が多く明快で
わかりやすくなっていますので、役に立ちました。