高橋氏がどのようにこの「実践的…」を料理されたかは,あなたが実際に本書を手にとって確かめるのが一番である.ただ私が言えることは,高橋氏の立脚している場所は,一部識者や学者にありがちな理論・理想の世界ではないということだ.氏の中学校教員経験や,長年にわたる現場教員と一体となった研究活動の経験からか,その議論の中では「学校教育のなかの英語」としての立場が一貫しているのだ.
つまり,私が強調したいのは,文科省の「たてまえ」ではなく現場教員が職場において意識せざるを得ない「本音」を考慮した議論を高橋氏はされている,という点である.これを私は「現場主義」だと捉えるし,その意味で,英語教員の方々に是非とも読んでいただきたい一冊である.