前著はまだ冷静に読めましたが、本著は冒頭の数ページ
から落ち着かなくなる事請け合いです。なんせ”赤”で
すから。
「そう言えばあの時のプログラム、どうしたかなあ。」
と、つい回想してしまうでしょう。
前著の出版から約一年で今著が出版されました。前著を
読まれてC言語で開発を始めた方も、そろそろプログラ
ムの効率の側面から、色々問題が出ている頃でしょう。
では、具体的な解説をしましょう。例えばこの様な効率
アップの話が展開されます。
統計に拠れば、プログラムの8割がループ処理だと言う
事です。と言う事は、ループ処理を何とかするだけで、
相当の効率アップが望めそうですね。
そこでループ処理内部で使用する変数に配列を使ってい
たら、ポインタ型にするだけで、スピードアップが可能
となります。
また、アルゴリズムを工夫するだけで、スピードアップ
が可能です。
皆さんプログラムを工夫していますか?。
最近H8マイコンを使った沢山の書籍が有りますが、その
多くがハードウエアをどう設定すると言った解説ばかり
に思えます。
しかし、コンピューターはソフトウエアが無ければ動か
ないので、言わばソフトウエアもコンピューターシステ
ムの一部であり、このC言語の効率を上げる事は、シス
テム全体の性能アップに他なりません。
著者の鹿取氏が本を書くまで、言語の側面からマイコン
システム開発を論じた書籍は殆ど無かった様に思えます。
その意味でもこの本は、マイコンのシステム開発をされ
ている全ての人に有用だと思います。