しかし、欧米人は、時にそれがカッコ悪い、ダサいと知りつつも、ほかになかなかいい言い方がなかったりするので、ついつい口に出してしまうようだ。「カッコ悪い、ダサい」というイメージがあるからか、こうした表現はなかなか一般の辞書に定義されていない。しかし、英語のノンネイティブスピーカーであるわれわれは、それがわからなくて困ってしまうことが多いわけで、こうした表現を「懇切丁寧に」教えてくれる辞典がやはり必要なのだ。
名翻訳家柴田元幸監訳による本書は、まさにそんな1冊だ(引用文についてはすべて原典にまで徹底的にあたっているようで、作者や作品およびその出版年の確認はもちろんのこと、発言している人物の年齢や性別あたりまできっちり割り出した上で訳しているあたりがさすがだ)。きたむらさとしのイラストも愉快この上ない。(上杉隼人)