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はじめての夜 二度目の夜 最後の夜 (集英社文庫)

価格: ¥420
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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良い意味で期待を裏切った作品 ★★★★☆
 「はじめての夜 二度目の夜 最後の夜」
 このタイトルから多くの人が一体どのような話を想像するだろう.まして著者は村上龍.ふざけた官能的な話かと思いきや・・・
 面白い作品だ.同著者の「69」にリンクしている作品ということもあり似たのりで書かれている.最も主人公が年を重ねた分,何処か寂しさを感じるけれど,それでもアオキミチコに
「世界がもうすぐ滅ぶときに思い出せる様な楽しかったことは何?」
と聞かれたのに対して
「悪いけど俺はそういうことの連続だった」
と答える場面.これがこの小説の,というよりも村上龍の本質のような気がしてならない.
 だから,私は,この作家が,好きだ.
村上龍の村上龍的創作料理 ★★★☆☆
いかにも凝り性でいつまでも少年的視点を持ち続けている村上龍らしい作品。今回凝ったのは,長崎のハウステンボス内のレストランで食する高級料理の数々。
料理の紹介だけでは小説にならないので,そこに中学時代の初恋の彼女との20数年ぶりの再会という前菜を用意し,懐かしいそして生き生きとしていた青春時代を偲び,初恋の彼女とやがて一夜をともにするという濃厚なメインディッシュ。そしてやがて現実の世界に戻っていくというデザート。
これらのフルコースを,高級レストランでの高級料理と長崎弁丸出しで話す青春時代と比べると確実に年齢を重ねた彼女とを対比させることにより,スパイスの利いた味付けになっている。
男と女がそれぞれ心に意図を持って高級料理を食するということは実はすごく官能的行為であるということがこの作品でわかった。
題名に期待して読むとがっかりするけど,予想外の拾い物という感じにさせる作品。やっぱり村上龍しか書けない作品。
龍ワールド ★★★★☆
この本は村上龍さんらしさがよく出ている本です。フランス料理プラスちょっとエッチな話で構成されています。村上龍さんの小説ってあまりいやらしくなくわりとサラリと読めると思います。
龍さん、ごちそうさまでした。 ★★★★★
最高のシチュエーション、でも、ハウステンボスという言わば虚構の世界の中でふたりは遠い昔の思い出と、今の間を行き来する。フツーの生活を送っている主婦アオキミチコにとってはまさに夢のようなひとときだっただろう。しかし、彼女はその夢にしがみつくことなく再び現実に目を向ける。あの頃にはもう二度と戻れないということを、十二分にわかっているふたりがとても切なかった。大人になってしまったふたりが。

村上龍という腕利きのシェフに、最高の料理とお酒を堪能させてもらった。

美味な本 ★★★★☆
とりあえず本の題名がなんとなく儚げで気に入って読み始めました。読み始めてからは長崎にいる友達が耳元で語ってる感じがして変な感じだった。あの訛りのせいだ..。村上龍の本の中ではなかなかマイルドな感じ..というのが素直な感想。ハウステンボスには何度も行ったことがあるけど、あのフランスレストランの存在なんてちっとも知らなかった。はっきり言ってストーリーよりも本で紹介されるフランス料理の数々が私の心を捉えた!

とってもグルメで美味しい本です。空腹時に読むのはつらいかも。念のために加えて言いますが、ストーリーも良かったです。大人でなければ実感できない物語かも。昔の恋愛をたくさん思い出すことになるでしょう。この本を読む時は適当に何か食べたあと(何度も言うけど!空腹時にこの本はつらい)、静かなジャズでもかけてジントニックでもちびちび..が良い感じの読み方!