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証券投資の思想革命―ウォール街を変えたノーベル賞経済学者たち

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 東洋経済新報社
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『リスク』よりも読みやすく、スリムでスマートな好著!! ★★★★☆
バーンスタイン氏による証券関連書籍では、
以前に『リスク』を読んだことがありました。

その時強く感じた感想は、
「もう少し短くできないものか?」というものでした。

投資概念を古代ギリシアからの思想的連関から手繰ろうとすることと、
それらの理念と現実を突き合わせることとが、

どうも、噛み合っていないというか、散漫で、
結論部分をしっかり想定して執筆したというよりも、

その場の流れに任せて、縷々と書き連ねていってしまって、
たまりにたまって膨大なページをうまくコントロールできなくなってしまった、
というのが結果として、読みづらさを助長してしまったのではないでしょうか?

そうした弱点を持つ『リスク』に比べると、『証券投資の思想革命』は、
相当に著者の理念と現実のつき合わせがうまくいっている印象を受けます。

しかも、記述・叙述がこなれたせいかスマートになっていて、
無用な遠まわりをせずに(全くしていないというわけではありません)、

著者の経験と理念と現実とが、バランスよく配分されていて、
読者にとっては、ユーザーフレンドリーで、消化のよい食感に仕上がっています。

投資の概念を塗り替えてきた思想家・実務家たちに関しては、
実際に読んでいただくしかないものの、

 ルイ・バシュリエ          価値変動
 ハリー・マーコヴィッツ       トレードオフ最適化
 ウィリアム・シャープ        ベータ戦略
 ブラック=ショールズ=マートン オプション取引
 フランコ・モディリアニ        裁定取引
 マートン・ミラー           同上
 ポール・サミュエルソン       LOR
 ユージン・ファーマ          市場平均の優位
 ハリー・ロバーツ           ランダム・ウォーク系
 オズボーン              同上
 アルフレッド・コールズ       市場平均の優位

といった人物の発想とその理論的裏付けには、
納得させられるところが少なくないので、

本気で証券投資で「勝つ」ことを考えている人は、
少し冷静になって、これらの才人の言葉に耳を傾けるのも、
決して無駄な時間の使い方ではないと思います。

総じて、『リスク』に頻出していたと思われる数多くの記述が、
アレンジされた上で、重複して収録されているような印象があるので、
星は「★★★★★」ではなく、「★★★★」とさせていただきます。
絶版にするのは惜しい ★★★★★
 日経ビジネス文庫から同著者の本がふたつ出版されていますが、本書はそのベストセラー二冊よりもよい内容だと思います。数式を用いずに、その数式の意味をわかりやすく解き明かし、証券投資の世界における学問の進歩を読みやすく記述した本書は、予備知識がなくとも読破可能ですし、金融工学の入門書としても出色のものだと思います。
 「リスク」「ゴールド」で著者に関心を持った方はもちろんのこと、証券投資理論のよい入門書をお求めのかたには文句なくお勧めできる書籍だと思います。ただし、数式がないとは言っても、易しい本ではありません。わかりやすいとは思いますが、理解するためにはそれなりの根性を必要とします。投げないで最後まで読めば流れがつかめると思います。
金融経済学の歴史ドラマ ★★★★★
株や債権などの資金・資産の取引を分析対象とする金融経済学は、産業の「分業」や国際貿易の「比較優位」などをテーマとして、アダム・スミスやリカードが創始した、「モノ」のやり取りを扱う伝統的な経済学とは、独立に歩んできた。しかし現在では、その伝統的経済学で培われてきた、不確実性を含んだ動学的一般均衡理論を巧みに取り込み、実務面での応用も盛んである。また、破産可能性や信用制約などの現実的側面への分析関心も高まっている。本書は、その金融経済学を発展させてきた人物たちの物語である(顔写真付き)。著者の平易でしかし本質を捉える語り口と、訳者たちの的確で読みやすい訳文とによって、金融経済学の理論を身近に感じることができよう。金融経済学を学びたての人たちの副読本と㡊??て、推奨したい。
数式なしに投資理論の歴史を学びたい人に最適 ★★★★★
本書は今世紀飛躍的に発展した投資理論の生成過程を物語風にまとめたものである。

物語は1900年、フランスのソルボンヌ大学に学んだ数学者ルイ・バチャリエに始まる。それから、ポートフォリオ理論を開発したマルコビッツ、サミュエルソン、リーランドそしてもちろんブラック・ショールズなどの人々の業績と経歴・プロフィール・趣味が生き生きと語られている。私が一番面白かったのはバー・ローゼンバーグである。彼はシェイクスピア学者の息子として生まれ、バークレーで計量経済学の教官の職を得たが、彼が住居にしていたタグ・ボートが致命的な水漏れを起こしたため、ボート生活をあきらめて陸の上にすむことにした。そして転居の収入源とするためもあって投資のコンサルタントを始めたというものである。

投資理論の本には珍しく、オプション理論のブラックショールズ式を唯一の例外として数式が無い。著者は米国の投資関連の雑誌「ジャーナル・オブ・ポートフォリオマネジメント」の編集長を長年勤めた人物である。本書を読むと、自然科学的な観察眼を投資に冷静に適用しようとした数々の研究者の挑戦によって投資理論が生成されてきたことが理解できる。

文庫で出ればいいのに... ★★★★★
これの本はいわばファイナンス版の思想史・経済学史であり、ファイナンスという学問の発展に大きく寄与した人達の偉人伝。著者はアカデミックが好きな実務家で、個々の学者の業績についても相当詳しく正確に書いてある。逆にアカデミックな学者がこの手の本を書くと、細部にこだわってこう上手くはまとめられないだろう。学部学生や素人が読めば、かなりの程度まで、ファイナンスが分かった気にさせてくれる本だ。ファイナンス・金融工学専攻の大学院生は、数式を追いかけるのもいいけれど、こういう大きな学問の流れを把握しておくのも必要でしょう。

最近、新書版の「ファイナンスとは」とか「金融工学とは」と題した本がたくさん出ていますが、それらを3冊読むくらいだったら、これを1冊読んだ方がよっぽど得るものが大きいと思います。過去に指導した学生の経験談からすると、就職活動などにも役立つ本だと思うので、非常にお勧めです。