ヒーローが魅力的
★★★★★
暴力的で冷酷だった夫ハンター。夫はインドに単身駐在中に遭難して死亡したと聞いていたラーラだったが、ある日突然夫が戻ってくる。しかし彼は誠実で愛情深く思いやりがあり、インドに赴任する前の夫と全く人格が変わっていた。彼は同一人物なのか、夫と外見がよく似た別人なのか、もし別人なら彼を夫として、ホークスワース伯爵家の当主として受け入れるべきか、ラーラは悩む。
その謎が解き明かされる過程も秀逸ですが、強い性格のヒーローがラーラに注ぐ愛情の深さがよく描かれていて、非常に楽しんで読みました。周囲の人物(ハンターの母、元愛人カーライル卿夫人など)の描写も深みがあり、作者の才能を感じました。主人公二人の関係が試されるのも無理がなく、よくできたストーリー展開だと思います。