２１世紀の古書目録。興味があります。
本当にあればの話ですけれど。

私たちからすれば、２１世紀最初の本、は「一番最初に出会う本」だけど、この目録では「一番古い本」なのだと分かっていても不思議な世界です。

こういう本を作ろうっていう気持ち、実際作り上げるその発想ってすごいなあって思います。
本だから「読む」ものだけど、眺めていても面白い本ですね。

どうせなら、２２世紀の古書目録も作って欲しいな。期待を裏切りません。この本は。

やや手軽すぎるきらいはあるものの、
発想や架空本のデザインやレイアウトなど
センスが無いとは誰も言い切れないだろう。

真の本好きといえるほどの骨太さは無いが
「本を造る」ことの喜びがどのページにも溢れている。

　この本は未来から送られてくる（実はこのレビューを書いている時点ですでに未来の範疇に入っています）本の目録です。
　そこに出てくる本はレトロで個性的で愛らしい本ばかりです。
　ここに載せられている本がこれからほんとうに手にとって読めるとしたら。
　本好きにはたまらない夢だと思います。
　どんなにオンライン小説が出回ろうとも、本はなくなりません。
　それを少しでも信じさせてくれそうな気がする一冊です。

～ひと言でいって素敵な本。奇抜なアイデアにあふれた書籍の数々を、きれいな写真で眺めているだけで、わたしはいい気分になりました。
ただし、うーん。わるいけど文章にはちょっと、しらけました。その理由を以下に書きますね。
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いわゆる「書籍」を題材にした奇譚というのは古くから、ざまざまな文豪が書いておられますよね。たとえば本書を手にとって、あのボルヘスの『砂の本』を思い浮かべたひとはたくさんおられると思うんです。
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だから、こういう本を書く時点で、そういうボルヘスのようなひとと並んで仕事をしていると思うべきではないでしょうか。もちろんそのつもりで執筆されたのでしょうけれど、あまりに内容が子供じみていて、これでは出来のわるい、浅はかなマンガみたいだなと、わたしはそう思ってしまったのです。もちろんマンガには浅はかではない名作がいろいろありますから～～、この本のレベルは「浅はかなほうの」マンガみたいです。
ちょっとしたナゾのようなエピソードにも、それなりの人間の悲哀とか、人生の味わいとか、いろいろなものがこもっています。でも、ここにあるのはそれだけで、たいした深みがない。しゃれた酔っぱらいが居酒屋で馬鹿話をしているうちに、ちょっとした思いつきで語れる程度の内容ばかりです。
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その程度の内容なのに、ダミーをつくって、撮影して、これだけ大がかりですから、文章を書いたひとはさぞ恥ずかしい思いをしているのだろうな、とさえ思いました。いつも内容がともなわないコンセプトだけで仕事をしてきた、このひとたちらしいやり方ですよね。
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たとえ同じことをやっていても、そのへんの羞恥心があれば、もっと素敵な本になっていたのではないかと思うんです。人間、なにごともテレがないといけません。～

未来に作られた古書目録。毎月１冊ずつ届く本が風変わりでとても楽しめます。未来でつくられた目録ですから、発行年数が古いほど現代に近いので新品
同様で、年数が新しいほど現代に届く時にはボロボロになっているとこなんて
ニンマリしてしまいます。変な本の世界にどっぷりつかって遊べるのが嬉しい。不思議な不思議な空間です。