あのエロイーズを子ブタにすれば、この本のタイトルはまさに「Eloise」になる。オリビアは40曲のレパートリーをとても大きな声で歌えるし、まわりの人を疲れさせるのもバツグンにうまい。いちいち自分の動作をまねる弟のイアンを、暗がりに閉じ込めることだってできる。ジャクソン・ポロックの作品「Autumn Rhythm #30」を家中の壁に再現するのも特技の1つだ。「あなたのおかげでママはほんとにくたびれちゃう。でもねぇ、やっぱり大好きよ」。夜になって母親がオリビアを寝かせつけながらこう言うと、おませな彼女は得々として答える。「そんなママでも、やっぱり大好きよ」
ニューヨーカー誌のアーティスト、イアン・ファルコナーが木炭で描いた子ブタのかわいらしいポートレートは、ポイントとなる部分だけが真っ赤なグワッシュで色づけされている―― これは赤、ピンク、白、黒でヒラリー・ライトが描いたオリビアの人間の子ども版、エロイーズをたたえての色遣いとも思われる。ドレス・アップするときには、耳につけるリボンも口紅もハイヒールも、ぜんぶ赤(一度だけ、グレーの色調の体が日焼けしてピンク色になり、水着の部分だけが白く残ったシーンがあるけれど)。ファルコナーは、控えめな文章にジョークを盛り込んで絵の鮮烈なイメージを生かした―― その絵と文のさりげないユーモラスな絡み合いは、子どもだけでなく大人も楽しめる。
就学前の子ども(とその親)なら、オリビアに自分自身の姿を見るだろう―― エネルギッシュでとどまることを知らない、海辺の遊びとドガの絵は好きだけどお昼寝は気の進まない子ども。耳の形は念入りに整えるし、砂のお城作りは驚くほど上手。エロイーズを連想せずにはいられないが、ファルコナーの子ブタのほうが活動範囲も限られているし、しでかすことはたかが知れているから、こちらのほうが幼稚だ。結論。おしゃまなオリビアもいいけれど、いかにも小さな子どもらしいオリビアのめちゃくちゃさがたまらない。
初めての洋書にもプレゼントにもおすすめ!
★★★★★
ツンとおすましの表紙イラストに一目ぼれ。ページをめくればキュートなオリビアから目が離せない。
元気がよすぎて周りも自分もヘトヘト。服をとっかえひっかえのお洒落さん。ママに教わった砂の城はアッと驚く仕上がり。お絵かきもお得意だ。
女の子ならみんなどこかにオリビアがひそんでいる。
こんな素敵な絵本を知っていたら姪の中学卒業祝いに贈ったのに。彼女にとって記念すべき初めての洋書になったはず。可愛いオリビアとほのぼのユーモアのあるやさしい文に誘われて、英語の本を読む楽しさと充実感を味わっただろう。残念!
5年前に出会った我が家の一番
★★★★★
9歳と7歳の息子。今では抵抗なく英語の絵本を読んで(見て)いますが、オリビアに出会うまでは英語の本を嫌がっていました。
図書館に行くたびに名作といわれる有名なものを何冊も借りましたが、日本語版を持っている「はらぺこあおむし」「どろんこハリー」以外には興味を示しませんでした。
新入荷コーナーに並んでいた「オリビア」を数ページめくり、まず私が「うぉ〜!」思わず叫びました。とにかく面白い♪きりくちが新しい。
2週間の期限が来て返しに行き「今日借りるやつ選ぼうね」というと
また「オリビア」がいい☆と大ファンになっていました。
何度も何度も借りるうち、私が飽きていました。
しばらくして日本訳版を書店で発見すると、「あぁ!!オリビア!!!」2人並んで立ち読みし「買ってくれ」とお願いされました。
もちろん買ったのは英語版です。
「タ〜イム・アウト!」私の読み方を真似して、「ブブー」て感じで彼らが使うフレーズです。「Time out」スペルも覚えています。
男の子2人を虜にしたオリビアは我が家の一番大切な絵本です。
本当はそう。
★★★★★
子供ってさ、何も知らなくて、だから訳解らんって評価されるけど、
それなりの美意識も、こだわりも、残酷さも、み~んな持ってるじゃん?
そんな当たり前のことを、思い出させてくれるOlivia。
おしゃれで、臆病で、探し物が下手で。
大人になったOlivia達に。
その為に。
娘がいる人には面白いんだろうが・・・
★★☆☆☆
元気な子豚オリビアの話、飛躍も教訓も感動もない話。
オリビアのお転婆ぶりに感嘆の声を漏らすかどうかがこの作品への評価の分かれ目である。私にとってはあっそ、だから何?という一冊である。カルデコットとか言う賞を取ったらしい・・・
「愛らしく、おしゃれな着こなしのこぶたちゃんに、きゅん!」
★★★★★
シンプルな表現なので、英語で楽しめると思います。チャコールのドローイングに、差し色の赤がチャーミングに効いている、とってもおしゃれな本です。
OLIVIA.のおすましぶり、こだわりぶり、やんちゃぶり、様々な顔は、私の中にもいて、ドキドキ。