そして萩尾望先生は天才だ!と今でもこの作品を原点に他多作品から確信している。
まいったと思うシーンはまず、主役のポールが崇拝する荒々しい同級生ダンジュロスに「雪玉をぶつけてなんかないことを彼に聞くがいい」と、絶対自分に服従するということを悟って見下ろすシーン。
神々しい顔に鳥肌が走るほど。このコマでわたしはこの漫画に完全服従であった。
もちろん、前編を通して完成度はすごい。
コクトーの姉弟愛、まだ幼さの延長である一体感のファンタジーとおどろおどろしさを、吸収しかみくだき、漫画という手段で芸術世界に完全昇華させた萩尾望都の先生は賞賛!