桜の木は、ソメイヨシノに代表されますが、シダレザクラ、ヤマザクラ、ベニシダレザクラ、エドヒガン、ほか種類も多く、見てて飽きません。種類をよく見分けられないのが残念ですが。
この『花紀行 京都桜百景』は、有名な祇園枝垂桜や平安神宮の紅枝垂桜のほか、鄙びた里に咲く古木までとても美しい写真でうめられています。
また、ベストシーズンのベストショットゆえ、長く見つづけても飽きないのは、特筆ものです。
私も「散る桜」に「もののあはれ」を感ずるようになりましたので、それだけ年をとった証拠なのかも知れません。散る桜を見ることで人生の深遠さに思いを馳せることもあります。
疎水べりのひっそりとした家並みと満開の桜並木の対比に感動した記憶が残っています。疎水の川面に映るその桜の可憐さは、やはり見る者全てを惹きつけますね。
梶井基次郎は「桜の木の下には、死体が埋まっている」と書き残しました。そのような文学表現は思いつきませんが、日本人の感性にぴったりの花であることは間違いないと思います。
この本で、京都の桜見物の擬似体験をしてください。