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ハッピー・バースディ (角川文庫)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 角川書店
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新井素子の陰のほうの作品  ★★★☆☆
 ハッピー・バースディと聞くと普通はすごく幸せな連想をするでしょう。色とりどりのろうそくがささったケーキ。ラッピングされたプレゼント。ちょっとした「おめでとう」の言葉。暖かい部屋。お祝いメール。花束。プレゼントの包みをあけるときのわくわく。誰かのバースディプレゼントを選ぶときのわくわく。そういうものを思い浮かべるでしょう。もちろん、あの有名なハッピー・バースディのメロディも思い浮かべるでしょう。中には、電気グルーブのほうを思い浮かべる方もいるかも知れません。ともあれ、楽しいイメージを思い浮かべることでしょう。
 しかし、この小説はそれらのイメージを覆します。ハッピー・バースディという楽しいうきうきるようなタイトルとは対極のかなり思い詰めた小説です。下手に書き込むとネタバレしてしまうし興趣を削いでしまうタイプの小説なので敢えて内容には触れませんが、かなり重いし苦しいです。特に前半から中盤にかけてはかなり気持ち悪い展開をします。強いてキーワードを挙げれば「電話」がその主役になりますが、かなり苦しい気持ちになります。いつもはのほほんとした文体の新井素子さんですが、同じのほほんでここまで気持ち悪いことが出来るのはこれこそ芸なのでしょう。
 ともあれ、先日取り上げた「グリーン・レクイエム」「緑幻想」や「新婚物語」などを彼女の陽の作品とするならば、これは陰のほうの代表作といってもいいでしょう。
これはイマイチ ★☆☆☆☆
新井素子は最初からファンですべて読破したが、これはイマイチだった。二度読み返しはしないだろう。おしまいの日という作品の方がまだましだったがあれも読むのに少し苦労した。本作品は、読み終えた後もうこの作者の本は買うまいと思ってしまった。遅筆だし、次の作品待ってイライラしてしまうが、デビュー初期の頃、“…絶句”や“扉を開けて”や“二分割幽霊忌憚”を書いていた頃、《今までの主人公をつなげて素ちゃんワールドを作りたい》と言ってたその世界を早く作って!ってでもこのまま素ちゃんワールドはできないんだろうなぁー。あーあ。読者は待ち惚けです。
恐ろしく読後感の悪いサイコホラー作品 ★★★★☆
主人公はあきらと裕司。ほんのちょっとした偶然から起こる事件を, 加害者側と被害者側の二つの視点で描くホラー作品。

あきら 沢木明 32歳 女性。旦那に依存気味の売れっ子新人小説家。
裕司  市原裕司 18歳 男性。東京に負けたと思い込んでいる浪人生。
喫茶店でたまたま居合わせた二人。バシャバシャとシャッターを切るカメラマンに裕司は憤るが、インタビュー中のあきらはそれさえ知らない。そしてたまたまご近所さんだった。あきらは御町内問題マンション。裕司は裏の築ウン十年のアパート。
ほんのちょっとの偶然が・・・ほんのちょっとタイミングが悪かったばっかりに・・・恐怖に変わっていきます。そしてハッピーエンドと思いきや・・・そこは本領発揮。そうはいかない。人間が壊れてゆく様を淡々と描きます。

ひたひたひたひたひた・・・と何かが近づいてくる、そんな表現が当てはまる怖さです。「くますけと一緒に」以来の恐怖を感じました。新井素子らしい恐ろしく読後感の悪い一冊です。心理的恐怖を味わいたい(特に主婦)方にはオススメ。

うわ もったいない ★★☆☆☆
導入部で主人公の外見的特徴がかなり詳細に説明されているのにそれが本編にいっさい反映されていないのが すごくもったいない。

サイコホラーと分類されるこのストーリーにここまでトコトンの“素子節”。同ジャンルの『おしまいの日』の方がまだ読みやすかったと思います。

うわ もったいない ★★☆☆☆
主人公の外見的特徴が 導入部で詳細に説明されているのに本編にそれがいっさい反映されていないのがすごく残念。あの設定が 主人公が結婚相手と出会うためだけだったなんて、もったいない。

“勿論、母は、そんなこと判らない。いや、そんなことがあるだろうだなんて、想像すらできない。自分の事情だけが、世の中のすべてであり、他の人には他の人の事情があるだなんて、母は絶対思わない。”といわれる母親像が秀逸。