読みやすい&わかりやすい=手軽
★★★★★
メディア論に関心はあるけれど(または、「学校で勉強させられてるけれど」)、難しい専門書にはいきなり手が出ない、そんな人にお勧めできる、読みやすくて取り組みやすい本です。
この手の本というと、活字がびっしり…という印象があるかもしれませんが、この本は真逆の、イラストと自由に組まれた文字で、簡潔に説明してくれます。
軽いけど薄くない、良質の入門書
★★★★☆
訳者あとがきでも触れられているように、人口に膾炙した「グローバル・ヴィレッジ」という表現をめぐる誤解(例えば大澤真幸も取り上げていたベネディクト・アンダーソンの「ロング・ディスタンス・ナショナリズム」論)を、ほかならぬマクルーハンの著作からの引用で解いている一節など、90年代に入ってからのマクルーハン論の趨勢をも踏まえた内容になっている。イラストを多用した口当たりの軽い本だけど、上述の通り決して上っ面だけの内容ではないので、メディア論に興味のある人間は目を通しておいて損はない。
遊んじゃおう!
★★★★☆
面白いイラスト満載のページを適当にめくりながら、気分にフィットしたところで立ち止まり、またペラペラとページをめくっていく。お気軽にマクルーハンの独自で痛快な理論に触れることができる。何よりいいのは、この本をヒントに遊べること。何も「メディアの形而上学者」だの「ポップカルチャー」などという立場に経っていた彼を認識しなくても、この本で遊べばマクルーハンもお喜びでしょう。例えば「クリシェ(常套句)の変換」が載っている。私は秘かにそれで遊んだ。例えば「貧すれば鈍す」を「貧すればダンス(by大澄賢也)」などとうふうに。言葉遊びの好きな人には、やめられない面白さ。たまたまウッディ・アレンの映画『アニー・ホール』をビデオで観てたら、まだ元気だった頃のマクルーハンが登場していて驚いた。力作ともいえる巻末の年表を見たら1976年に出演したことが載っていた。この取りこぼしのない年表をみるだけでも、いかによく作られた一冊かが伝わってくる。
メディア界の巨匠!?
★★★☆☆
日本では60年代に竹村健一氏に紹介され一大旋風を巻き起こしたマクルーハンの理論。メディア守護聖人と称された彼のメディア論が、最近のインターネット社会の予見を思わせる考察で再注目されているとか。メディアとはいったい何なのか?さあ「自分が気づいていないことについて考えてみよう」!彼の思想をポップなイラストで紹介するマクルーハン入門書。