【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:青木やよひ/著 出版社名:平凡社 シリーズ名:平凡社新書 249 発行年月:2004年11月 関連キーワード:ゲ-テ ト ベ-ト-ヴエン キヨシヨウタチ ノ シラレザル ユウジヨウ ヘイボンシヤ シンシヨ 249 げ-て と べ-と-ぶえん きよしようたち の しられざる ゆうじよう へいぼんしや しんしよ 249、 ヘイボンシヤ ヘイボンシヤ 7600 へいぼんしや へいぼんしや 7600、 ヘイボンシヤ ヘイボンシヤ 7600 へいぼんしや へいぼんしや 7600 一八一二年夏、二人の巨匠はボヘミアで出会う。ゲーテ六三歳、ワイマル公国の枢密顧問官として社交に余念がない。ベートーヴェン四一歳、“不滅の恋人”との恋に心を高ぶらせていた。そして時代は、ナポレオンの没落を前にして激しく動いている。本書は、政治的・社会的状況を丹念に踏まえ、巨匠たちの交響する世界を臨場感豊かに描写する。手紙、日記、友人たちの証言など資料を駆
二人の友情を知っただけで幸せな気分です。
★★★★★
ユニークな切り口で、ベートヴェンにもゲーテにも今まで以上の深い親近感が抱けるようになりました。
この二人が、友情で結ばれていたということを知るだけで、頬が緩むといいますか、とても嬉しく感じられます。
著者は推論を織り交ぜながら、お互いがどのように接触しどのような思いを抱いていたかを説き明かします。
ゲーテがベートーヴェンより20年の年長であり、詩人だけではなく政治家、自然科学者というマルチの才能をもった人であったことが二人の交流を成り立たせたものであったと思われます。
ベートーヴェンのゲーテへの態度は何度か変化します。会う前は、大芸術家として尊敬しています。ベートーヴェンの音楽への評価が気に入らず、すぐにゲーテを芸術家ではなく、官吏であるといった言い方をしたようです。この当たり、ベートヴェンという人の性質が垣間見られます。
しかし、ゲーテはベートヴェンの音楽にかなりの衝撃を受け、彼の神から与えられた才能を賞賛し続け、難聴等に同情を寄せます。
こういうゲーテの態度に対して、ベートヴェンは一瞬にして態度を改めます。
ゲーテは、自分自身を鍛える人であったそうです。
ベートーヴェンの音楽を目の前にして、一瞬度を失ったのかもしれない、と想像しました。
しかし、ゲーテの芸術性は、ある程度の時間をかけても、ベートーヴェンの本質をしっかりと捉まえました。
二人の不仲説は、晩年ベートヴェンの出した手紙にゲーテが返事を出さなかったことが発端となっているようです。
それまでベートーヴェンは「不滅の恋人」との一大事を迎えていました。それが、「第九」へ進んでいきます。一方ゲーテは、またもや恋愛をし、「マリエンバートの悲歌」を著す時期です。
二人はお互い、芸術の巨人です。心の振幅は常人のものとはまったく違っています。そして芸術に没頭するには、一人にならなければなりません。
俗世間の友人関係のように、飲食を共にしたり、遊んだりするようなことは、大芸術家の間には起きません。
二人がお互いの芸術を認め合い、身近に置いたこと。それが二人の芸術を愛する私達の心に灯をともしてくれる出来事であります。
読み終えて、晴れやかな気分になれました。
1930年以来の画期的な試み
★★★★☆
ベートーヴェン研究家による、題名通り、ゲーテとベートーヴェンの人間関係に関する、様々な過去の研究書に基づく、著者の見解が記されている。フランスの作家ロマン・ロランが1930年に発表した、本書と同名の著書である『ゲーテとベートーヴェン』が、もし2004年に書かれていたら、真相はいかなるものであったのかという大変興味深い考察である。巻末の参考文献一覧と、この著作に登場する人名数を見るだけでもいかに著者が1930年以降に刊行された二人の巨匠に関する伝記的書物を参考にしているのかを知り得る。そしてその大量の資料から著者の見解を引き出しているかを伺い得る。この著書を一読すれば、両巨匠だけではなく、時代背景も概論として知ることができる。唯一筆者にとって不満であるのは、ゲーテ婦人クリスティアーネに関する言及が欠けていると言う点である。眼鏡のエピソードなどベッティーナとの関連においてだけではなく、ゲーテの周囲にいた人物に関して掘り下げて欲しかったという気がしないでもない。いずれにせよ、筆者は更に厚い(熱い)青木女史のテーマを掘り下げた次作に期待している。
不和説を信じていた人へ
★★★★☆
ゲーテとベートーヴェンは一度は出会ったものの理解しあえずに生涯冷たい関係に終わったという通説がかなり広く信じられてきた。かくいう自分も本書を読むまではそう信じていたと言わざるを得ない。ゲーテとベートーヴェンはどちらも私の好きな芸術家なのでこの不和の件は残念に思っていた。が、本書を通してそうした通説が誤りであり両者は生涯互いに尊敬する気持ちを抱いていたということが分かって嬉しく思った。また、著者が両巨匠の性格、彼らがおかれてた状況を冷静かつ的確に分析しているところにも好感が持てた。短期間にゲーテの人間像を捉えるのは並大抵のことではないが本書はそれなりに成功しているようである。文章も特に読みにくいところはなかった。
サブタイトルの「友情」に迫れたのか?
★★★☆☆
多くの書物では,ゲーテとベートーヴェンは,理解しあえないまま終わった,と記述されているようですが,この本の著者は現地調査や新資料によって,それは誤解である,としています。書簡を丹念に調べるなどして,偉大な人物同士がお互い(または,その作品)をどう評価していたかに光をあてています。しかし,残念なことに,著者自身の文章は,外国の書物の直訳のようで読みにくく,また,使用する単語,表現も大げさなものが多いように感じ,私は評価の星を減らしました。いわば「世界の常識」を覆す内容ですので,十分に冷静,客観的な記述につとめて欲しかったと感じました。巻末のゲーテとベートーヴェンの年表,主要人名索引(生没年,原綴り併記)が付きます。