奴隷牧場
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2002年1月から2004年7月にかけての物語。当時全盛だった伝言ダイヤルという仕組みを使って、女を捕獲・調教して奴隷にして会員たちに提供している組織があった。その会員は社会的地位もサディストとしての能力も一流であることが求められた。
公開調教、新会員を集めての奴隷オークション、女同士の争いに負ければ海外に売り飛ばされいく者も。マゾの女がマゾを責める時は。
そして伝言ダイヤルが社会問題化していく中、次の奴隷獲得手段は?
(会員入会テストのシーンより抜粋)
「はい。お好きなようにお責めおなぶり下さいませ。御主人様がどうかこの審査に合格されますよう、精いっぱいお尽くし申し上げます」
男は立ち上がり、麻美の背後に回ると、頭の上で組んでいた手首を両手もろとも掴み、手にした麻縄で両手首を束ねて縛り上げて行く。
「吊られるのは」
「大丈夫です、お願いします」
縄を三重に手首にかけると、一歩前に出させて天井から下がった滑車のフックに巻き付け、思いきりのよい動作でチェーンを巻き上げて行く。
「うっ」
足が完全に宙に浮いた瞬間に麻美がわずかな苦悶の声をあげた。
手首だけでの吊りはかなりつらいものがある。
責め手にとっても奴隷の体力と気力を著しく消耗する可能性があるため、完全な宙吊りまで持って行くことは勇気と自信が必要なことだ。
鞭責めなど、その後厳しい責めを与える場合は、せいぜいつま先立ちで止めておいた方が後々長い時間楽しめるとも思える。
足が床から二十センチ浮いたところでやっと男はチェーンの巻き上げを止めた。
「こういう吊りは」
「大丈夫です。逆さ吊りよりは長い時間耐えられます」
いい子だ、と言いながら男は麻美の腰のところにベルト替わりに巻かれた紐をほどいて一気に引き抜き、ズボンを落とした。案の定ズボンの下はパンティをつけておらず、華奢な体のわりにむっちりと白い腿が剥き出しになり、恥毛がコントラストを作る。
「多分、もうぐしょぐしょだろう、あいつの好きな責めパターンだしな」
寒河江の声が聞こえたかのように、男は無造作に指を性器に突き入れ、かきまわして「ううっ」という淫らなうめき声を搾り取った。
「毛、生やさせてるんですか」
米倉の問いに
「ああ、二か月くらい前からな。ちょうど生えそろったところかな。もちろん穴の周りだけ剃らせてるけどな、あいつは意外に濃いんで」
と、苦笑いしながら寒河江が答える。
「そうそう、さっきあいつが言ったウエスト一センチにつき鞭百発ってやつな、あれ一センチ以下の端数切り上げなんだわ。だからあいつのウエストはいつも五十五センチ台。あのおっぱいに細い腰、色気を増す一方の自分の女房に、指一本触らせてもらえなくなった旦那は悶々としてるだろうよ」
寒河江が落としてきた女なので事情はよくわからないが、いずれにせよ離婚はしていないものの肉体はすでにマゾとして寒河江の思うがままというわけだ。
軍服の上から乳房を両手で鷲掴みにされると麻美は地に着かない足をばたばたとさせた。相当、指先に力を入れられているのだろう。下半身がそうだった以上、上もノーブラであろうから、直接乳房を揉み潰すに近い力が加えられているわけだ。
「今までで一番辛かった責めはなんだ」
乳房を潰していた男の指先が急激に収斂して一点に集中する。吊られたまま両方一度に乳首をひねりあげられるのは、マゾの麻美にはそれなりに体の奥底に響くものもあろう。
米倉はこの外交官の男がゴールド会員としての資質を十分に持っていることをこの時点で確信していた。
「うっっ」
問われた麻美の答えは呻き声だけだった。
「そぉか答えたくないか」
男はいきなり軍服のその豊満な乳房の中間に手を差し入れると、いきなり引き裂くように左右に開いた。
ただ大きいというだけではなく、見るからにしっかりとその重みをたたえた麻美の美しい双の乳房が剥き出しにされる。
男は軍服の裾を後ろの縄に絡めて、麻美の上半身の前面全てをカメラの前に晒すと、今度は直接その丸出しの乳房に両手をかけた。
「では最初はこの見事な乳に一本鞭百発なんてどうだ。それとも三十ずつも洗濯バサミをつけて一気に落とすなんてのを先にやろうか」
演技かそれとも男のサディストとしての気に圧倒されてか、麻美はいやいやと首を横に振り、その目をぎゅっとつぶって何かに脅えているという表情を作っている。
男が手にしたのは目玉クリップと呼ばれる金属製のクリップだった。
男の動く気配に、目をチラと開けた一瞬に、それをどこにつけられるか悟った麻美は、より固く目をつぶってその時を待っている。
左、右の順で無造作にそれは麻美の乳首を噛んだ。
次に、一本鞭。
まるで容赦なく、胸の膨らみとは対象的に小振りな尻に音をたてて振り抜かれ、先端が腹部に巻き付いた瞬間に引き戻すという一発一発の苦痛が強い打ち方で、宙吊りの女を踊らせる。
「痛いっ、お許しを。なんでもいたしますしなんでも申し上げますから」
麻美が音を上げたのは五十発ちょうど。
普段から鞭責めの時に数を声に出して数えさせられているためか無意識のうちにも頭の中でカウントしているのだろう。
「では、さきほどの質問に答えろ」
「クリトリスに針を二本刺していただきました。私の経験ではそれが一番辛かった責めです。でも私の御主人様はもっと厳しいことをされる方で、それを目の前で見せていただいていますので、そのくらいで辛いって言えなくて…」
その主人にモニター越しに見られているから、ということだろう。
「ほう。どんなことをするんだ、お前のご主人様とやらは」
「うっ。それはお答えできません。ご入会になられたらそういった調教シーンのビデオをお買い求めになられることも可能ですから、それでご確認下さいっ…」
「俺はお前の口から聞きたいんだがな」
「申し上げられ…ません」
「では待望のそのデカパイへの鞭といこうか。さすがにもげたら困るんだろうから…」
男は今度も無造作に、きつく乳首を噛んでいたクリップをはずす。
実はつけられる時も痛いのだが、外される時はもっと痛い。
その上で、今度は洗濯バサミで両乳首をはさむ。
はずされてまたすぐにつけられるのはさらなる苦痛で、事実麻美は空中で思いきりもがいて、うーーーっという湿った悲鳴をあげた。
続いて、男はそのGカップの乳房全体に、洗濯バサミをゆっくりと左右それぞれ十本ずつ深く噛ませていく。
この部屋に用意されている洗濯バサミはそれだけでも十分な苦痛を与えることができるよう、もっともバネが強い部類のものである。
「さあ行くぞ、ほんとは少しなじませてからやるのがいいんだが情けだと思え」
「ううっ。ありがとうごさいます。お願いいたします」
「まず、右」
柄も長く鞭の長さも一メートル以上ある拷問用のバラ鞭が一振りで右の乳房の洗濯バサミを全て払い落とした。
「おお、見事」
一回で全てを払い落とすには、それなりに鞭の扱いに慣れていなければならない。
うぎゃーーっという悲鳴をあげて、麻美はがくがくと宙吊りの体を揺すりたてた。
目からは大粒の涙。
「左」
バシーーッ、音をたてて鞭が乳房を襲う。
今度も一度で全てが落ちた。
大きな膨らみに見事に鞭痕がつき、洗濯バサミの噛んでいた場所数カ所から血がうっすらとにじんでくる。
「どうだ話す気になったか」
「ごめんなさい」
「では仕方ない、もう少しおっぱいの鞭責めを楽しませて貰うとするか」
「はい、お願いします」
なんだかんだ言っても気丈な女だ。麻美といい沙織といいそしてその娘の乃里子といい、寒河江の調教には舌を巻いてしまう。
男は案の定、一本鞭を手にした。
長さが二メートルのもの。この部屋に備え付けの一本鞭は、材質は一緒だが長さによって色分けをしてある。
「顔あげろ」
言うと同時に横一線に鞭がはらわれる。
「いやーーー」
直後、空気を切り裂く音。
鞭が麻美の巨乳を一閃すると同時に「ぎゃーーっ」という悲鳴。
さきほどの洗濯バサミ落としでついた傷よりもはるかに鮮明な蚯蚓腫れが左胸の上から右の乳首のすぐ下まで鮮やかな赤色で斜めに走った。
「もうひとーつ」
今度は体勢を入れ替えてその逆に傷跡をつける。
鞭が入った瞬間、今度は「ぐっ…」と息を止めて宙に浮いた左足を一瞬膝のところで曲げて、懸命に痛みを堪える麻美に、休む間もなく尻を巻くように二メートルの鞭が炸裂した。
続けて、二発、三発と尻から腿にかけて一本鞭が音をたてて叩き付けられる。
麻美は声を出すこともできなくなって、ただ宙を舞っていた。
十発目を終えた時にはまだらな蚯蚓腫れが見事に尻と腿に走っていたが、呼吸を整えた麻美は「私からはお話しできません。お仕置きをもっとお願いします」と、哀願するのだった。
「そうか、俺をもっと楽しませてくれるというわけだな、では遠慮なくこれでそのデカパイにさらに模様をつけてやろう」
体の前面に横薙ぎに一本鞭が、すでに赤から薄紫の傷跡が走る乳房に見舞われる。
二十発の両乳への鞭の間中、麻美は泣き声ともうめき声ともつかぬ声を上げていた。
「あれで宙吊りじゃなければ結構楽しむんだがな、あいつも」
寒河江はいたって冷静に画面をみつめていた。
鞭を置くと、麻美の背後に回った男は自らの手でトランクスを脱ぎおろし、そのいきり立ったものを生贄の腿にこすりつけながら、滑車の鎖を引き、吊りの高さを調節して、ぎりぎりつま先立ちのところまで下ろした。
このギリギリの加減がなかなかやるわいと米倉は思った。
「どっちに入れて欲しい」