ヘブ子には、また別の作品で活躍して欲しいっ!
★★★★★
「妖怪学園ザビエル」の姉妹編的作品ですが、ストーリーは全く別。
私は「シオン魔日記」「妖怪学園ザビエル」では「シオン魔日記」のほうが面白いと思います。
ちなみに「妖怪学園ザビエル」の巻末に載っている時代劇短編、「刺客十六夜」は2部構成で、前編が「シオン魔日記」、後編が「妖怪学園ザビエル」に収録されているので、二冊買わなくてはならないあたり、パタリロ並に商売がうまいなあ・・・と、感心(?)
本作は、変な少女「山本ヘブ子」が、美少年「笹川紫苑(シオン)」を追い掛け回すという・・・それに尽きる作品。
このヘブ子というのが凄い。
財閥のお嬢様にして、7歳でハーバード大学を卒業した超天才。
しかも、神秘哲学の達人で、世界中の国家指導者が、政治についてのアドバイスを求めに相談にくるほど。
しかし、シオンを前にした途端、お下劣な勘違いギャグは当たり前、7歳とは思えぬ、子供らしからぬ下ネタをかましまくる。
性格はもうハチャメチャで、卑怯、破廉恥、自己中心という・・・とんでもない奴。
しかし、妙に一途でなんだか憎めない。
で、なぜシオンをヘブ子が追い掛け回すのかというと、この二人が「合体」(釣りバカ日誌用語)しないと、1999年恐怖の大王が復活すると予言されているから・・・という事情があるのだが、実はヘブ子は人類の事などどうでも良く、ひたすら欲望のままにシオンに迫りまくるのである。
それもひたすらお下劣な方法で・・・・。
一応、魔物とのバトルもあるのだが、ヘブ子が凄すぎて魔物がかわいそうなほど。
本作は、結構ストーリー構成は甘く、かつての「横須賀ロビン」「ゼロ・スター」等のような凝りも無く、実に他愛の無いものなのだが、とにかくこのヘブ子一人で、メチャメチャ面白い。
「妖怪始末人トラウマ」や、「パタリロ」以上に凄いキャラなので、絶対一見の価値あり。