信じる。
★★★★☆
トリニータは、注目のクラブだった。
4年程前かな、試合を見たときは、
若さゆえか、一旦悪くなると軌道修正がきかず、選手達が自滅する印象だった。
シャムスカ監督が指揮を執り、何年もかかり、
負けない、理想のチームに育てていった。
いつかの負けないミランを見ているようだった。特に、2008シーズンは。
本書にある、人心掌握力、コミュニケーション、自信をつけさせる等々、
監督の哲学には納得です。
自分で判断できない選手をいくら生んでも、
その場限りで、チームとしての成長もなくなるので・・
監督の言葉にもあるが、トリニータの成長、躍進は、
”マジック”ではなく、選手が導いた結果なのだろう。
でも、”しこみ”、は監督が行ったものだけど。
印象的だったのは、日本との出会いである。
Jで過去にプレイした選手との出会い、
様々な出会いが彼を日本に導く。
日本とブラジル、縁は、どこから生まれるか分からないものだ。
監督は、2009シーズンの不振により、道半ばでブラジルに帰国した。
しかし、彼の考え、哲学を受けた選手は、今後も更に飛躍をとげるだろう。
可能であれば、再び、日本での挑戦、
tryをしてくれないものか。
”信じる”が、監督の好きな言葉でした。
とっても大切な言葉です。改めて再認しました。
魔術?手品?
★★★☆☆
資金の苦しい大分にナビスコカップ優勝というタイトルを与えた。それ以外にもリーグ戦で代表選手らを擁するチームを相手に、負けないサッカーを見せ魔術とも感じられるような衝撃を感じさせた。しかしわずか数ヶ月経った現在、最下位に低迷。マジックは手品にすぎなかったのだろうか。
人心掌握術を知りたい方に
★★★★☆
自身の功績や能力を誇ることは一切無く、ひたすら「人の心を動かすにはどうしたら良いか」を丹念に解いています。選手やスタッフ、フロントの人たちへの感謝も忘れず書かれています。人の上に立つ人はかくあるべし、と思わせる良著です。
今後、彼がここまで語ることはないだろう
★★★★☆
2005年9月から大分トリニータを指揮するペリグレス・シャムスカ。
メディアへの露出を嫌うといわれる彼が、大分での監督業を語っている。
一言でいえば「シャムスカ自身がここまで語ったことに意義がある」本だ。
エピソードの多くは大分サポにとって既出の内容かもしれないが、
森重真人をコンバートして起用した理由など、監督の「読み」や「判断」が
語られていることは大きい。
来日してからシャムスカ自身が成長していく過程も伺える。
ハードカバーではなく新書での発売は、多くの人に手にして貰いたいという
監督の希望の表れか。
一つ付け加えるなら、トリニータのホームタウンである大分県は
人口が120万ほど。チームの拠点がある大分市も総人口47万人。
その中にサッカーJ1のチームがあり、選手も監督もスタッフも
大分市に生活の拠点を置いている。
登場するエピソードのいくつかは、この点を踏まえてないとわかりにくい。