再読しました。10年前に読んだ時は人間関係がよくわからず
もやっとした感想しか抱けなかったのですが
長岡さんの「古代幻想ロマンシリーズ」を読んだ後で
多少設定が頭に入っていたせいかストーリーの展開に集中できてとっても楽しめました。
歴史モノは基本を押さえていないと、話の筋を追うだけになってしまって
それ以上の感想は持ちにくいものなんだなぁと実感しました。
特に清原なつのさんの場合、史実そのものの作りではなく
独特のアレンジをされる方なので、元を知らないと遊びの部分が楽しめないのですね。
(そこがまたいいんだけど。)
内容は藤原不比等の子、安宿媛(光明子)の一生の話。
ここでは興福寺の阿修羅像をつくったのは元ペルシアの王族カイという事になっています。
カイが初めて安宿媛に会った時「どこかであったことがある」というのは
何かの伏線だと思っていたんだけど・・・?
それとカイが安宿媛にすすめていた健康酒は結局毒だったんだよね(何でだ?)。
安積親王病死の報せに「長生きできない御運だったのです」と言う藤原仲麻呂の背中に
「私が殺りました」という紙が貼られているのが可笑しかったです。
以前読んだ時は、異国の人が登場して途中から物語の雰囲気が変わって
ちょっと違和感あったんだけど、今回は”やっぱり美男はいいわね”と思うばかりでした。
「中国の壷」を読んだばかりで、超飛竜の壷のペルシア模様の説明で
「何年か前に滅ぼされた」と話していた国からカイは来たのね、
などと思いながら読むのはなかなか楽しかったです。