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光の回廊 〔文庫〕 (小学館文庫 きF 1)

価格: ¥650
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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まとまりには欠けるが、切なさがじわり ★★★☆☆
ネットでこの漫画の存在を知り、歴史ものが好きなので
購入しました。
安宿媛(光明皇后)が生まれたときから亡くなるまでの話。
彼女の愛と葛藤を中心に描かれています。切ないです。
ですが、彼女の存命中に起こった有名な事件を
次から次へと紹介するので、どうしてもまとまりに
欠けるなという印象を持ちました。

でもこの漫画で、実忠和尚の存在、大仏工事の裏側を
知りました。
時折入るギャグもおかしい。仲麻呂の背中の貼紙(笑)

あと、聖武天皇を生んで心の病になった宮子が、
「実は途中から正気に戻っていたものの、(世間に
嫌気がさしていたので)そのまま病気のフリをしていた」
というような描写も興味深かったです。
彼女は、不比等の実子ではないという説もあります。

一族が天皇を利用してのしあがろうとする、
ドロドロとした世の中。
一族の娘は、一族の繁栄のため皇子を産むための「機械」。
そんなのに立ち向かえない、だから逃げたい、
せめてどこかに飛びたい。
でも飛べないなら、篭もるしかない宮子さん。
反面、運命を受け入れてその中でせいいっぱい生きようと
する安宿媛。だからこそ悩みや葛藤や生まれてくる・・・
ちなみに私は、心弱い宮子タイプです。
逃げずに少しでも強くなりたい・・・と思いつつ、なかなか。

先に読んでいた里中満智子の「女帝の手記」と比べて
みるのも楽しかったです。
感無量です。 ★★★★★
清原さんの傑作が、やっとまた手に入るようになり、こんなに嬉しい事はありません。
高校生だった当時感じたこの作品の魅力が、大人になった今読み返しても全く失われておらず…むしろますますしみじみと胸に迫ることに、驚きます。

丁度近々イラン(ペルシャ)への旅行に行こうと予定を立てていたところだったので、余計にこの作品との縁を感じています。
ペルシャは阿修羅をかかげるゾロアスター教ともゆかりの深い土地ですし、興味は尽きません。実忠が作品中で「西方阿弥陀浄土」と語ったおそらくはイスファハーン周辺を、この作品を胸に描きながら歩いてみたいです。
やっと! ★★★★★
近年、清原なつの作品は次々と文庫本化されているのに、
この作品はなかなか文庫にならなくて、
うずうずしていたところに朗報が!
でも、東博の阿修羅展開催とあいまって、
タイムリーな文庫化です。

巻末の倉本由布も書いていますが、
「読み終わってちょっとかなしい」気分にさせられる作品です。
また、

3町目のサテンドール
栗田洋館栗羊羹殺人事件
スキヤキ・ジゴロ
バタフライ

も同時収録です。

清原なつののりぼん&ぶ〜け時代の佳作が収められた文庫です。
「男の子に生まれなかった女の子」たちの物語 ★★★★★
これは聖武の母宮子、安媛姫、阿部内親王(のちの称徳女帝)ら、「男の子に生まれなかった女の子の系譜」を描いている。
この作品は宮子の辛く苦しい出産で始まる。「こんな苦しみを与えるために、父母は笑顔で後宮に送り出したのか」それが「女に生まれたことは、なんと理不尽であることか」と宮子を世捨て人へ導いた。宮子が「理不尽」を感じるに至ったのは、「男の子のように育てられた女の子」としての感受性を有していたからにほかならない。
安媛姫は、野心家の父母の期待を一身に背負って意気揚々と入内するが、皮肉なことに宮子と違って目的を果たすことができない。
「女の子」であるがゆえに、「立身出世」以外の生物学的な要求を満たさなければならないのだ。健康で賢い安媛姫が、男の子と同じように「立身出世」を期待されたならどうにでもできただろうが、「これ」ばっかりは思うようにならない。その「理不尽」さ。
宮子の存在によって、「女の役割に愛想をつかした」女性と、「理不尽な女の役割」に必死にとりくむ光明子の姿が対比され、問題点が強調される。
そして、安媛姫の子、阿部内親王は、ついに祖母三千代も母安媛姫も叔母宮子も成し得なかった「目的」を果たす。(著者は阿部内親王を「女として浮かれる母を冷ややかな目で見る」潔癖症の女の子として描いている。)
これは、現代に例えるなら、「祖母は社長になりそうな男性に自分の夢を賭けて」「母は社長と結婚して自らも副社長で大株主となり」「娘はついに自分が社長になった」という女三代記なのである。
問題は、光明子となった安媛姫が「あいだ」にはさまっていることなのだ。ここが一番不安定な位置なのである。つまり「女としての幸せ」も諦めきれない、ということで、それが胡人との擬似恋愛の悲劇的な結末を呼んだ。こう見ていくと、おそらくは、現代に生きる女性をほのめかして描かれたのであろう。秀作だ。
独特のアレンジの妙 ★★★★☆
再読しました。10年前に読んだ時は人間関係がよくわからず
もやっとした感想しか抱けなかったのですが
長岡さんの「古代幻想ロマンシリーズ」を読んだ後で
多少設定が頭に入っていたせいかストーリーの展開に集中できてとっても楽しめました。
歴史モノは基本を押さえていないと、話の筋を追うだけになってしまって
それ以上の感想は持ちにくいものなんだなぁと実感しました。
特に清原なつのさんの場合、史実そのものの作りではなく
独特のアレンジをされる方なので、元を知らないと遊びの部分が楽しめないのですね。
(そこがまたいいんだけど。)
             
内容は藤原不比等の子、安宿媛(光明子)の一生の話。
ここでは興福寺の阿修羅像をつくったのは元ペルシアの王族カイという事になっています。
カイが初めて安宿媛に会った時「どこかであったことがある」というのは
何かの伏線だと思っていたんだけど・・・?
それとカイが安宿媛にすすめていた健康酒は結局毒だったんだよね(何でだ?)。
安積親王病死の報せに「長生きできない御運だったのです」と言う藤原仲麻呂の背中に
「私が殺りました」という紙が貼られているのが可笑しかったです。

以前読んだ時は、異国の人が登場して途中から物語の雰囲気が変わって
ちょっと違和感あったんだけど、今回は”やっぱり美男はいいわね”と思うばかりでした。

「中国の壷」を読んだばかりで、超飛竜の壷のペルシア模様の説明で
「何年か前に滅ぼされた」と話していた国からカイは来たのね、
などと思いながら読むのはなかなか楽しかったです。

また会えたね! ★★★★★
だいぶ前に友人から借りた(雑誌掲載ぶんをスクラップした自家製単行本状態)のを読んで以来、やっと再会できました。