その時読んだのはこの巻に収録されている「金木犀の星」で、これを機に、私は清原なつののファンになった。
それにしてもこのシリーズに登場する女性(主に少女)たちは何を見つめているのだろう。
彼女たちは、それぞれ性格に違いはあっても自然体でどこか遠くを見ている点では一致している。そして他人に媚びず、背筋を伸ばして生きている。その姿は潔いし憧れる。元一少女のじぶんとしてはなりたくてもなれなかった女性像がこの作品にはあふれているのだ。
作者には男性ファンが多いが、この作品に関してはまだ二十歳になる前の10代の女の子達に読んでほしい。(もちろん大人になってからでも十分おもしろいが)
この作品を少女期に読めるということはとても贅沢なことだと思う。